子どものお口(感染防御、食事編)
[2023年07月09日]
子どもは感染症にかかりやすいです。
感染症にかかると子どもの食事は低下します。
バランスの取れた食事は、子どもの免疫力を高めるために必要です。
感染症にかかった場合は、消化の良い食べ物を選んであげることが大切です。
目次
◯子どもの感染防御
◆子どものお口の感染防御
◆子どものお口の感染防御を高める
◯子どもの食事
◆乳児期の食事
◆学童期の食事
◆思春期の食事
◯まとめ
◯子どもの感染防御
子どもは大人に比べて免疫力が低く、感染症に罹り易いです。
子どもの免疫は成長してゆきます。子どもの免疫は、自然免疫と獲得免疫の2つに分けられます。
自然免疫は生まれながらに持っている免疫で、ウイルスや細菌などの病原体を攻撃します。
獲得免疫は後天的に形成される免疫で、出会ったことのある病原体を覚えて、最適な方法で攻撃します。
子どもは獲得免疫が未熟なため、抗体を作ることができません。
しかし、子どもは大人よりもリンパ球という免疫細胞が多く、多くの病原体に感染することで少しずつ抗体を作っていきます。
赤ちゃんは母親から抗体を受け取ることで、一時的に感染症にかかりにくくなります。
しかし、その効果は生後10ヶ月位迄で、その後は自分で抗体を作る必要があります。子どもの免疫力を高めるためには、次のような事が大切です。
①食事で腸内細菌を獲得するようにしましょう。
②外遊びさせるようにしましょう。
③薬を飲ませすぎないようにしましょう。
④予防接種を受けるようにしましょう
◆子どものお口の感染防御
お口の健康は、子どもの成長や免疫力にも影響します。お口の中には様々な細菌が存在し、その中には免疫力を高める働きをするものもあります。
また、お口に入った細菌は、子どもの免疫システムを刺激し、抗体を作ることで獲得免疫を強化します。
しかし、お口の中には免疫力を低下させる細菌もいます。虫歯菌は血液中に入り込み、心臓や脳などの重要な臓器に感染する事があります。
歯周病菌は炎症反応を引き起こし、免疫システムを過剰に働かせることで、アレルギーや喘息などのアトピー性疾患や自己免疫疾患の発症・悪化に関係があります。
◆子どものお口の感染防御を高める
子どものお口の感染防御を高めるには、次のポイントがあります。
①歯やお口の健康づくりは乳幼児期から意識し実行しましょう。
②歯磨きを習慣づけ歯垢の除去を徹底しましょう。
③よく噛んで食べましょう。
④甘いものや酸性の食べ物・飲み物を控えましょう。
⑤歯科医院で検診や予防処置を受けましょう。
⑥口呼吸や舌癖などの不良習慣の改善を図りましょう。
◯子どもの食事
◆乳児期の食事
乳児期の食事は、子どもの成長に合わせて、授乳と離乳食を進めてゆきます。
授乳は、母乳・育児用ミルクを与えます。離乳食は、生後5か月位から始めます。
離乳食には、母乳・ミルクだけでは足りない栄養を補うだけでなく、食べ物を噛みつぶして飲み込むことや、いろいろな味や舌ざわりを楽しむこと、食習慣を身につける目的があります。
離乳食は、赤ちゃんの様子や食べ具合に応じて少しずつ変化させていきます。
新鮮な材料を用いて十分に加熱し、味付けは薄味にすることが基本です。手づかみ食べやスプーンで自分で食べる練習もしてゆきます。
◆学童期の食事
学童期は、小学校に通う時期で、体の成長が著しく、骨格や歯が発達し、消化・吸収や代謝が高まります。
学童期は、食生活の基礎ができ、食習慣が確立される時期です。正しい食習慣を身に付けることは、健康な成長や生活習慣病の予防に繋がります。
学童期の食事のポイント
学童期の食事のポイントは、次のようなものがあります。
①毎食規則正しく、家族揃って食べることを心がけましょう。
②食品の種類や働きを学べるよう、健康に良い食事の取り方を学べるようにしましょう。
③食事のマナーをしっかりと学び、楽しく会食をする事が出来るようにする。
④食事づくり、準備を楽しむ事が出来るようにする。
⑤地場産物、郷土料理についての関心を深める。
⑥自然の恵みや食事ができるまでの過程を知り、感謝する。
⑦よく噛むことの大切さ、歯磨きの大切さを理解出来るようにする。
学童期の問題点、その対策
学童期の問題点、その対策は、次のようなものがあります。
①朝食の欠食
起床時はエネルギー不足の状態なので、朝食を取ることで体温が上がり、脳が活性化し、勉強や運動に集中出来るようになります。
②必要な栄養素
成長期に必要なエネルギー、栄養素を十分に摂取することが大切です。
特にカルシウムは丈夫な骨をつくるために必要です。10代後半に骨量が最大になるよう、十分に摂取するようにしましょう。
③咀嚼の重要性
子どもの好きなものは軟らかく、あまり噛まないものが多いですが、噛む事は歯や顎を丈夫にするだけでなく、消化吸収を助けたり、肥満の防止や脳の活性化にも役立ちます。
噛む事が苦手で野菜の繊維が噛み切れず残している子どももいます。
例えばハンバーグ料理では、ひき肉だけでなく、切り身の肉や噛んで食べれる根菜類やきのこ類を取り入れることがおすすめです。
④肥満の増加
近年よくいわれる事です。
それに伴い、2型糖尿病などの生活習慣病になるケースが増えています。
不規則な食生活、間食の取り過ぎによる摂取エネルギー量の増加、運動不足による消費エネルギー量の減少が背景にあります。
⑤味付けは薄味に慣れる
食塩の取り過ぎは、高血圧や胃がんの原因になります。
味の好みは子どもの時に決まります。
なるべく薄味に慣れるように、味付けを注意しましょう。
外食や間食、レトルト食品の使用が多いご家庭では塩分過多となっている事が多いといわれています。
⑥おやつの食べ方に注意
おやつの食べ過ぎると食事量が減少してしまいます。
お菓子を自由に食べていると食事のときに食欲がなく、おかず(嫌いな魚や野菜)を残し栄養のバランスを崩し、肥満や生活習慣病の原因をつくってしまいます。
おやつは、時間、内容、量に注意して食べましょう。
◆思春期の食事
思春期は、中学校・高校に通う時期です。この時期は、体の成長が急速に進み、精神的にも大きな変化します。
思春期は、生活習慣の自立により、保護者から離れて食事をする機会が増えます。
簡便な食事や好みの食事中心になり易くなります。
しかし、この時期はエネルギーや栄養素の必要量が一生のうちで最も多くなるため、バランスの良い食事を摂ることが大事です。
思春期の食事のポイントは、次のようなものがあります。
①朝食をしっかり食べましょう。
朝食を食べる事でエネルギー補給や便秘解消などの健康効果があります。
②1日3食をきちんと摂りましょう。
食事の時間帯を決めて脳や消化器官に覚えさせる事で消化吸収を助けたり、肥満や生活習慣病の予防に繋がります。
③赤(魚、肉、卵、豆腐等)、黄(ご飯、パン、芋等)、緑(野菜、果物等)の食品を食卓に揃えましょう。
これらの食品はエネルギーや蛋白質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよく提供しましょう。
④偏食しないようにしましょう。
和風、洋風、中華風などいろいろな料理を取り入れてバラエティに富んだ献立にしましょう。
好きなものばかりではなく、食べ慣れないものにも挑戦してみましょう。
⑤塩分や動物性脂肪を取り過ぎないようにしましょう。
塩分や動物性脂肪の取り過ぎは高血圧や肥満などの生活習慣病の原因になります。
薄味に慣れて肉類や油物を控えめにしましょう。外食や加工食品の使用も注意しましょう。
⑥食物繊維を十分に摂るようにしましょう。
食物繊維は腸を刺激し便秘を解消したり、生活習慣病の予防に役立ちます。
⑦砂糖を取り過ぎないにしましょう。
菓子類、清涼飲料の取り過ぎに注意しましょう。
砂糖はエネルギー源になりますが、取り過ぎると肥満や虫歯の原因になります。
⑧間食は食事とのバランスを考えて摂るようにしましょう。
間食は食事だけでは不足しやすい食品を主体にしましょう。
牛乳やヨーグルト、果物などがおすすめです。スナック菓子や清涼飲料の取り過ぎに気をつけましょう。
⑨よく噛んでゆっくり食べましょう。噛むことにより脳を活性化させ、頭の働きが良くなります。
◯まとめ
バランスの取れた食事を摂ることは子どもの成長にかかせません。食事によく気をつける事で、子どもの免疫力を高める事も出来ます。