歯医者に行くのが怖い方へ

[2024年05月31日]

歯科医院の待合室では、治療待ちの子供が怖がって院内から逃げ出そうとしたり、泣いてしまう子のトラブルが見受けられます。

歯医者と聞くと、痛いことをされたことがあるという経験が真っ先に挙がると思います。

そういった方々にとって、おそらく多くの方が行きたくない場所としてあげるのではないでしょうか。

そんな人たちの中で歯科恐怖症というものまで達する場合があります。

そして必ずしも子供だけではなく、成人の方でもそういった人は見受けられます。詳しく見ていきましょう。

 

目次

◯歯科恐怖症とは?
◯歯科恐怖症と度合い
◯歯科恐怖症の理由
◆過去のトラウマ
◆恐怖心の伝播
◆環境情報
◆歯科恐怖症の影響
◯歯科恐怖症の克服方法
◆専門医の支援を受ける
◆緩やかなアプローチ
◯最後に

歯科恐怖症とは?

なかでも、歯医者に行くのが怖くなってしまった人は、歯科恐怖症ともいわれ、歯医者で治療を受けているときだけでなく、待っているとき、あるいは歯医者に向かおうとするだけで拒否的な反応が出てしまったり、歯医者で器具の音を聞いたり、独特な薬剤のにおいだけでも吐き気につながってしまうなどの症状があることを言います。

もしかして、ご家族の方やお知り合いで、歯医者が怖いという方に対して「それは甘えだよ。」などと安易な言葉をかけてしまったことはありませんか?
ここでは、歯科恐怖症といわれる患者さんの気持ちに寄り添うべく、歯科恐怖症についてみなさんに知ってもらい、歯科恐怖症は身近に起こりうること、そうした患者さんが身近にもいるということを知ってもらう機会になればと思います。

歯科恐怖症と度合い

歯科恐怖症とは、歯医者が苦手で通院すること自体が困難なほどの恐怖や不安を抱く状態を指します。
このような状態にある人々は、歯周病やむし歯など歯の健康に関わる問題にもかかわらず、歯科治療を避けたり、適切なケアを受けることをためらったりすることがあります。
中には、歯科にかかりたくてもかかれないという方もいたりします。

今回は、歯科恐怖症について深く掘り下げ、その理由や克服方法について考察してみたいと思います。

歯科恐怖症の理由

歯科恐怖症の原因は人それぞれ異なりますが、その多くは以下のような要因によって引き起こされることが多いです。

過去のトラウマ

歯科恐怖症の大部分は、過去に歯科治療での苦しい経験や痛みが原因となっています。
例えば、麻酔の効きが悪かったり、歯医者の対応が乱暴だったりすることがトラウマの原因となることがあります。

恐怖心の伝播

家族や友人など、身近な人が歯科治療に対して恐怖心を持っていると、それが自分にも影響を与えることがあります。家で家族と話をしている時、ダメにしてしまった歯を抜いてもらって痛かった、などの話の後は子どもが乳歯の抜歯を怖がったりすることがあります。特に子供の頃に親や兄弟が歯科治療に対して恐怖心を示していた場合、それが後々の歯科恐怖症の原因になることがあります。

環境情報

歯科医院では目隠しをした上で治療を行うことも多いです。よって聴覚や嗅覚などの視覚以外の感覚に集中しやすい環境になります。そこで歯科医院の独特な薬などの消毒液の匂いや削る時の鈍くて高い振動音、または治療器具などが普段触れることのない未知の要素であり、何をされるか分からないことへの不安が、歯科恐怖症を引き起こすことがあります。

歯科恐怖症の影響

歯科恐怖症は、個人の生活に深刻な影響を及ぼす可能性があります。歯の健康は全身の健康と密接に関連しており、歯科治療を受けないことが原因で気づかないうちに、歯周病やむし歯が水面下で進行することがあります。歯周病や虫歯が悪化すると、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。また、外見や口臭の悪化によって自己評価が低下し、社会生活に支障をきたすことも考えられます。では、どのように歯科恐怖症と向き合えばよいでしょう?

歯科恐怖症の克服方法

歯科恐怖症を克服するためには、様々なアプローチがあります。以下に、その一部を挙げてみたいと思います。

専門医の支援を受ける

歯科恐怖症に特化したカウンセリングなどの心理療法を提供する専門家がいます。彼らは患者の不安や恐怖心にアプローチし、それを軽減するための方法を提供してくれます。また、現代の歯科医療では、鎮静下で治療を行うことができる施設もあります。
心理療法士やカウンセラーによるカウンセリングを受けることで、過去のトラウマや不安を取り除くことができる場合があります。カウンセリングを通じて、恐怖心を理解し、それに対処する方法を学ぶことができます。

緩やかなアプローチ

歯科恐怖症を克服するためには、一歩ずつ進んでいくことが重要です。まずは歯科医院に行くこと自体を少しずつ慣れさせることから始め、少しずつ治療への抵抗感を減らしていくことが大切です。最近は動画などで事前に歯科治療中の様子や雰囲気を確認できる医院も増えてきています。

最後に

歯科恐怖症は、そのまま放置しておくと直接的な原因とはなりませんが、検診などを長期間受けられていないということが、歯の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、適切な対処が必要です。

専門家のサポートを受けつつ、自分なりに積極的に取り組むことが大切です。歯科恐怖症を抱える人々が、専門家の支援を受けつつ、自分のペースで克服に向けて努力することで、健康な歯と心を取り戻すことができるでしょう。

歯科恐怖症は深刻な問題であり、その影響は個人の生活に大きな制限を与えることがあります。かつては歯科医療に対する恐怖心があっても、抑えつけて行うこともありました。しかし、適切な支援を受けながら歩みを進めることで、今では多くの人が克服してきました。歯科恐怖症を抱える人々にとって、希望を持ち、積極的な支援を受けることができる社会が現代において築かれつつあります。必要な方は大いに活用していきましょう。

あきらめることなく様々な方向からのアプローチを受け取ることで、多くの人が健康な歯を取り戻しています。歯科恐怖症を抱える、歯科恐怖症に苦しむ方々への理解と共感を示し、適切なサポートが受けられるようにすることが、歯科恐怖症を抱える患者みなさんへの健康と幸せにつながることを心から望んでいます。



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