
オーバーブラッシングによる弊害
[2025年08月14日]
はじめに
オーバーブラッシングの弊害はたくさんあります。知覚過敏に始まり、歯の小さな傷、歯肉退縮など、痛みだけでなく審美性の問題を生じることもあります。
こちらの記事ではオーバーブラッシングの弊害を具体的にお伝えするとともに、正しい歯磨きの仕方もお伝えしたいと思います。
「正しく磨く」を意識して歯磨きをしましょう。
目次
- ◯オーバーブラッシングの弊害
- ◆知覚過敏
- ◆歯肉退縮
- ◆小さな傷
- ◆楔状欠損
- ◆磨けていない
- ◯正しい歯磨きの仕方
- ◆歯ブラシ
- ◆歯磨きの正しい仕方
- ◯まとめ
オーバーブラッシングの弊害
歯磨きをするとき、力を入れ過ぎていませんか。
オーバーブラッシングだと、歯ブラシが早く傷んでしまうだけでなく、歯や歯ぐきにも悪影響が出てしまいます。
こちらでは、オーバーブラッシングの弊害をみていきましょう。
小さな傷
オーバーブラッシングにより、歯や歯ぐきが傷ついてしまうことがあります。
強い力で歯ぐきを擦ってしまうと、歯ぐきに傷ができてしまい、痛みが出ることがあります。
歯にも、目に見えない小さな傷がついてしまいます。この小さな傷が原因で、着色が付きやすくなる、知覚過敏が引き起こされるなどの症状が引き起こされます。
知覚過敏
強い力で磨きすぎると、歯の表面にあるエナメル質が剥がれてしまい、その下にある象牙質に刺激が伝わりやすくなってしまいます。
象牙質には、歯の神経である歯髄に刺激を伝える象牙細管がたくさんあり、刺激が歯髄に伝わることにより、痛みを生じやすくなります。
歯肉退縮
強い力で歯や歯ぐきを擦ってしまうと、歯ぐきが下に下がってしまいます。これを歯肉退縮といいます。
歯肉退縮が進むと、今まで歯肉に覆われていた歯根面が露出し、知覚過敏を引き起こしたり、歯が伸びたように見えるので審美的にも影響が出てしまいます。
楔状欠損
楔状欠損とは、歯の表面が欠けてしまった状態のことをいいます。強い力で磨くとエナメル質が剥がれてしまい、歯が欠けてしまう原因になります。
また、歯肉退縮により、歯根面が露出すると、歯根の表面にあるセメント質がむき出しになってしまいます。エナメル質より柔らかいため、欠損しやすく、楔状欠損ができやすいです。
磨けていない
強い力で磨くと、磨けたような気になってしまいますが、実はそれほどキレイに磨けていません。
というのも、強い力で磨くと、歯ブラシの毛先が押し潰されて広がってしまい、毛先でキレイに磨けていないことがほとんどです。
キレイに磨いているはずなのに、むし歯や歯周病になってしまう、と感じている方は磨き方を見直してみましょう。
正しい歯磨きの仕方
歯磨きにも正しい磨き方があります。
歯科医院の定期健診では歯磨き指導があるのでぜひご利用ください。
歯ブラシ
たくさんの種類の歯ブラシが市販されています。それぞれに特徴があるのでご自身に合ったものを選びましょう。
- 毛の柔らかさ:歯ぐきが健康な方には「ふつう」の硬さがおすすめです。オーバーブラッシングの症状がある方は「やわらかめ」を選びましょう。
- ブラシの形:オーバーブラッシングの方は、力が入りにくいカーブのあるブラシを選びましょう。
- ブラシの大きさ:小さめがおすすめです。ブラシが小さいと、細かいところまで磨けます。
- 歯ブラシの交換時期:1ヶ月に1本が目安です。
1ヶ月間使うと毛先が開いてくるので、それを目安に交換しましょう。
長く使い続けると雑菌も繁殖しやすいので、清潔に使うためにも1ヶ月毎に交換することをおすすめします。 - 歯ブラシの持ち方:ペングリップにしましょう。握りこんで持ってしまうと、力が入りすぎます。ペングリップで優しい力で磨きましょう。
歯磨きの正しい仕方
歯磨きをするときは以下の点に気をつけましょう。
- 歯ブラシはペングリップで優しく使う
- 毛先が開かない力を意識する(150g~200gの力が良いとされています)
- 歯列を一度に磨くのではなく、1歯ずつ磨くようにする
- オーバーブラッシングだと思う人は、研磨剤無しの歯磨き粉を使う
- スクラビング法は歯面を磨くとき、バス法は歯と歯の間の境目を磨くときに使う
定期健診では歯磨き指導、および磨き残しのチェックをしております。染め出し液でプラークが残っている部分をチェックすることもできるので、磨けていないところが可視化され、ご自身の癖を知ることができます。
スクラビング法
スクラビング法はメジャーな磨き方で、主にむし歯予防のための磨き方です。
- 歯ブラシの毛先を歯に対して90度に当てる
- 歯ブラシを90度に保ったまま優しい力で小刻みに横に動かす
この時、力が入らないように小さい範囲で歯ブラシを動かす
バス法
バス法もスクラビング法と同じくらいメジャーな磨き方で、主に歯周病予防のための磨き方です。
- 歯ブラシの毛先を歯に対して45度の角度で、歯と歯ぐきの境目に毛先が入るように当てる
- 歯ブラシを45度に保ったまま、小刻みに横に動かす
この時、力が入らないように小さい範囲で歯ブラシを動かす
まとめ
強い力でゴシゴシ磨いた方が汚れが取れるイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、適切な力・方法で磨かないと磨き残しが残ってしまうどころか、歯や歯ぐきに負担を掛けることになってしまいます。
「磨いている」と「磨けている」は違います。 正しい歯磨きをしてお口の健康を保ちましょう。