
口呼吸になってしまう症状/病状とその治療法
[2025年09月14日]
はじめに
口呼吸の原因や原因別の治療法について解説しています。また口呼吸が歯並びにどう影響するのかも詳しく解説しています。
口呼吸にお悩みの方は、原因がどこにあるかをまず確認し、早めに治療することをおすすめします。
目次
- ◯口呼吸の悪影響
- ◯口呼吸の原因
- ◆扁桃の肥大(鼻性口呼吸)
- ◆鼻詰まり(鼻性口呼吸)
- ◆歯並びの問題(歯性口呼吸)
- ◆口周りの筋力不足(習慣性口呼吸)
- ◯口呼吸と歯並びの関係
- ◆歯並びや顎への影響
- ◯口呼吸の治療
- ◆鼻性口呼吸
- ◆歯性口呼吸
- ◆習慣性口呼吸
- ◯まとめ
口呼吸の悪影響
お子さんが気付けば口をぽかんと開けて口呼吸している、という相談をよく耳にします。口呼吸は歯並びだけでなく、全身の健康状態にも悪影響が及ぶこともあるので、できるだけ早く、鼻呼吸ができるように治療することをおすすめします。
口呼吸は、ポカンとした見た目だけでなく、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすい、いびきをかきやすい、睡眠時無呼吸症候群になりやすい、睡眠が浅い、疲れやすいなど呼吸器症状や全身状態にも不調を来たします。
しかし、口呼吸には原因があるので治すことができます。こちらの記事では口呼吸の原因と原因別の治療法を解説しているので、お子さんの口呼吸でお悩みの方は参考にしてください。
口呼吸の原因
お子さんも口呼吸を敢えて意識的に行っているわけではなく、口呼吸になってしまう理由があります。
では、どんな理由があるかをみていきましょう。
扁桃の肥大(鼻性口呼吸)
扁桃とはのどの奥にあるリンパ組織のことです。風邪などで、扁桃腺が腫れたことがある方も多いのではないでしょうか。リンパ組織とは、ウイルスや組織と体が戦う免疫機能を持つ組織のことを言います。
扁桃は、アデノイドと呼ばれる咽頭扁桃、のどちんこの横にある口蓋扁桃、舌扁桃、耳管扁桃の4つがあります。
アデノイドや口蓋扁桃は4~8歳頃に最も大きくなり、10歳頃には小さくなりますが、稀に大きいままのケースがあります。
アデノイドや口蓋扁桃が大きいと、鼻腔の気道が塞がってしまい、鼻呼吸がしにくくなり、無意識に口呼吸をするようになってしまいます。
鼻詰まり(鼻性口呼吸)
鼻詰まりがあると、鼻の気道の通りが悪くなり、口呼吸になりがちです。風邪の時は一時的なものですが、アレルギー性の場合は慢性的な鼻炎が見られることもあり、鼻詰まりの治療をしないと、口呼吸が治らない場合があります。耳鼻咽喉科で相談しましょう。
歯並びの問題(歯性口呼吸)
歯並びが悪くて、口が閉じにくい場合、口呼吸の原因になります。出っ歯や受け口、開咬などの歯並びだと、口が閉じにくいため自然と口が開き、口呼吸になりがちです。
歯並びや噛み合わせが原因の場合は、歯列矯正で歯並びを整えることをおすすめします。
口周りの筋力不足(習慣性口呼吸)
唇や頬などの口周りの筋肉の発達が不十分な場合、口を閉じ続けることが難しいことがあります。
また、舌の筋力が不十分な場合、舌を持ち上げられず、舌の位置が下がる低位舌になってしまうことがあります。
噛む回数が少ない、柔らかいものを食べる機会が多いと、口周りの筋力を鍛えることができず、口呼吸の原因になるので食生活を見直しましょう。
口周りの筋肉を鍛えるMFT(口腔筋機能療法)をトレーニングとして取り入れるのもよいでしょう。
口呼吸と歯並びの関係
歯並びが悪いことは、口呼吸の原因になり得ますが、口呼吸が歯並びに悪影響を与えることもあります。
歯並びが悪い → 口呼吸になる → 更に歯並びが悪くなる、という悪循環が生じてしまうので、歯並びが悪い方は歯列矯正をおすすめします。
歯並びや顎への影響
口呼吸になるということは、歯並びが悪く口が閉じにくい状態が考えられます。歯並びをそのまま放置していると、口呼吸は改善されず、ますます歯並びが悪くなってしまいます。
口呼吸を放置しておくと、こちらのような歯並びになるリスクがあります。
- ・上顎の歯列が狭まる
- ・上顎が前に出て出っ歯になる
- ・アデノイド顔貌になる
また、口蓋扁桃が大きいと舌が正しい位置に固定されず、前に出てしまうためこちらのような悪影響が出てしまいます。
- ・受け口(反対咬合)
- ・奥歯で咬めないため、顎の発達が遅い
口呼吸は歯並びだけでなく、アデノイド顔貌や顎の発達にまで影響を及ぼします。お子さんがよく口を開けている状態ならば、口呼吸の治療をおすすめします。
口呼吸の治療
口呼吸は主に4つの原因があります。
- ①鼻性口呼吸:鼻詰まりや扁桃肥大による口呼吸
- ②歯性口呼吸:歯並びによる口呼吸
- ③習慣性口呼吸:口周りの筋力の発達不全による口呼吸
こちらでは原因別に治療法をご紹介します。
鼻性口呼吸
鼻詰まりによる口呼吸や扁桃肥大が原因の口呼吸は耳鼻咽喉科への受診をおすすめします。
風邪やアレルギーによる鼻炎や鼻詰まりが考えられるので治療が必要となります。
扁桃肥大の場合は、手術によって切除する場合があります。
歯性口呼吸
歯並びが悪いため、口が閉じにくいことが原因で口呼吸になっています。この場合は矯正治療をおすすめします。
歯並びを整え、適切な咬み合わせができるようになることで、口を閉じることができるようになります。
習慣性口呼吸
習慣性口呼吸は歯並びの異常がないので、トレーニング次第で鼻呼吸ができるようになります。
口唇閉鎖訓練やMFT(口腔筋機能療法)を歯科医院で教えてもらいましょう。
MFTは正しい舌の位置を保つことを習慣的にできるようにするトレーニングです。また、口周りの筋肉を鍛えることもできるので、お子さんの口呼吸でお困りの方は歯科医院で相談してみてください。
まとめ
口呼吸はお口の中だけでなく、全身状態にも悪影響を及ぼします。口呼吸は癖だから仕方が無い、と諦めないでください。口呼吸は原因があることがほとんどです。
原因が分かれば治療法もあるのでお困りの方はぜひ、歯科や耳鼻咽喉科でご相談ください。
歯科医院の定期健診でも歯並びやお口の中の状態を調べてもらえるので、ぜひお越しください。