子供の歯肉炎はどうやって治す?

[2024年03月14日]

歯磨き中、子どもから「歯茎から血が出た」「歯茎がぶよぶよしてる」と言われたり、歯茎が赤くなっている、もしくは仕上げ磨き中に子どもの歯茎から出血しているのを見たことがある、という方はいらっしゃいませんか?

これは、「歯肉炎」と呼ばれる歯茎、歯肉の炎症の兆候の一つと考えられます。

こういった子どもの歯肉の炎症にもいくつか種類があります。

今回は、そんな子どもの歯肉炎について、症状やその原因、治療方法等について詳しくお話してみたいと思います。

 

目次

◯子どもの歯肉​炎とは?​

 ◆不潔性歯肉炎

 ◆萌出性歯肉炎

 ◆思春期性歯肉炎

◯歯肉炎を放置すると歯周炎になるリスクも

◯子どもの歯肉炎の治療方法は?

 ◆歯磨きが第一

 ◆歯科医院でのクリーニング

 ◆仕上げ磨きはより丁寧に

◯まとめ

 

◯子どもの歯肉​炎とは?​

まず、歯肉炎がどういった状態をいうかご存知でしょうか。

子どもの歯肉炎と言っても、基本的に大人の歯肉炎とその発症メカニズムは同じです。

口腔内の歯面に付着したプラークと呼ばれる細菌の毒素によって歯肉が腫れたり、出血したりする病気です。

中には、痛みを伴うこともあります。

ただ、子どもの場合、永久歯への生え変わりや歯並びの変化、ホルモンバランスの変化など、口腔内環境が成長と共に変わって行くため、磨き残しの汚れやそれに伴って付着したプラークだけが原因ではないこともあります。

大人の歯肉炎とは生じる背景がやや異なる子どもの歯肉炎について、その種類も併せて、詳しくお話していこうと思います。

 

不潔性歯肉炎

最も多いのがこの歯肉炎です。

磨き残しが原因で、歯にプラークが残ったままになり、その中で歯肉を傷つけることがあると、そこから感染し、歯肉が腫れます。

 

萌出性歯肉炎

乳歯、もしくは大人の歯の生え替わりの時期に生じる歯肉炎を指します。

あらたに生えてくる歯は歯肉を一部破って出てきます。

その際、新しい歯とその周りの歯肉の間は食べ物や汚れ、プラークが残りやすいため炎症が起きることが多くあります。

 

思春期性歯肉炎

思春期である小学校高学年から中学生頃までの期間、第二次性徴期で体の成長に伴ってホルモンバランスが大きく変化します。

その影響で、歯肉が腫れやすくなったり、出血しやすくなったりと歯肉の状態も変化します。

この時期は歯ブラシがしっかり出来ていても炎症が起こりやすくなります。

 

歯肉炎を放置するとどうなる?

子どもの場合、成人とは異なり、歯肉炎になっていても、特に痛みがなければ自身で歯肉の変化に気づくことが難しいことがあります。

歯肉炎に気づかずにそのまま放置すると、さらに炎症が進み、将来的に歯周炎へ移行するリスクがあります。

歯周炎は、歯肉だけではなく、歯と歯の根を取り囲む歯槽骨にも炎症が及び、骨が溶けていく病気です。

このように、子どもの頃の口腔ケアや口腔内環境は、将来の大人になってからの口腔内環境にも大きな影響があることを知っておかなければなりません。

 

子どもの歯肉炎の治療方法は?

では、子どもが歯肉炎になった時、どういった対応をすれば良いのでしょうか。

ここでは、歯肉炎の治療についてお話していきます。

 

歯磨きが第一

先ほど歯肉炎の種類をお話しましたが、歯肉炎の原因は基本的にはプラークという細菌の塊です。

ですので、このプラークを除去することがまずは最優先です。

その方法としては、やはり日々の歯磨きです。

歯磨きの習慣をしっかりつけ、口腔内の細菌を減らすことで歯肉の腫れや出血が次第に落ち着いてきます。

 

歯科医院でのクリーニング

自宅での歯磨きと併せておすすめしたいのが、歯科医院でのクリーニングです。

ホームケアでは難しい上顎の奥歯の歯茎周りの歯磨き、歯と歯の間のお掃除、歯石の除去などをしてくれます。

さらに、プラークを赤く染める「染め出し」を行うことで、磨き残しのチェックができ、歯ブラシの正しい当て方はどうかなど、歯磨きも見直す機会にもなります。

磨いているつもりでも、歯ブラシが思いの外当たっていない、ということは臨床では非常によくあります。

歯磨きをしているのにも関わらず、なかなか子どもの歯肉からの出血が引かない、という場合などは、歯科医院で詳しく歯磨き方法を教えてもらうといいでしょう。

 

◆仕上げ磨きはより丁寧に

お子様がまだ小さい保護者の中には、仕上げ磨きをされている方も多いと思います。

上記で歯科医院でのクリーニングをおすすめしましたが、ぜひ、仕上げ磨きの仕方についてもその際に聞かれることをおすすめします。

子どものお口の中の状況は成長に伴って日に日に変化し、それによって磨き残しが多くなる部位や注意するべきポイントも変わっていきます。

歯科医院受診時には歯科医師や歯科衛生士に、その時その時で知っておきたい仕上げ磨きのポイントをぜひ聞いておきましょう。

 

まとめ

ここまで、子どもの歯肉炎について発症のメカニズムや原因の種類についてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。

歯肉炎の予防、治療において大事なことはプラークの除去です。

上でお話したように、子どものお口の中の状況は成長とともに変化するので、その時期ごとに応じたケアが必要となります。

ただ、子どもの場合、お口も小さく、自宅ではなかなか細部までチェックすることは難しいこともあると思います。

そういった場合は、ぜひ歯科医院で確認してもらいましょう。

磨き残しが多い部位や歯ブラシの動かし方、歯磨きする上での注意点などを教えてもらうことで、よりお子様のお口のホームケアが充実しますし、歯肉炎を未然に防ぐことができます。

今のホームケアに不安を感じていらっしゃる親御様がいらっしゃれば、ぜひ今回の記事を参考にかかりつけの歯科医院でも相談してみてください。



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