子供の虫歯に銀歯の治療は大丈夫?

[2026年08月21日]

◯はじめに

大人の方の大きな虫歯治療では、金属製の被せ物を被せる治療が行われることがありますが、この被せ物は、歯型をとって一人ひとりの歯の形に合わせて作られるオーダーメイドの被せ物です。
お子さんの虫歯治療でも、金属製の被せ物を使うことがありますが、こちらは乳歯既製金属冠という既製品になります。

今回は、乳歯既製金属冠についてご紹介します。
この記事を最後までお読みいただくと、乳歯既製金属冠の特徴やそれ以外の治療法などもお分かりいただけると思います。

◯目次

  • ◯乳歯既製金属冠
    •  ◆乳歯既製金属冠の材質
    •  ◆乳歯既製金属冠の特徴
  • ◯乳歯既製金属冠での治療はよくない?
    •  ◆見た目
    •  ◆調整が難しい
    •  ◆プラークがつきやすい
    •  ◆生え変わりに影響することもある
    •  ◆金属アレルギー
  • ◯乳歯既製金属冠以外の治療法
    •  ◆コンポジットレジン充填とは
    •  ◆コンポジットレジン充填の特徴
  • ◯まとめ

◯乳歯既製金属冠

乳歯既製金属冠は、乳歯の虫歯治療などに用いられる、あらかじめ製造された金属製の被せ物です。
あくまでも永久歯に生え変わるまでの限られた期間だけ使うことを目的としています。

◆乳歯既製金属冠の材質

一般的にイメージされる銀歯とは素材が異なります。
大人の方に用いられる銀歯の素材は、金銀パラジウム合金やチタンで作られています。
一方、乳歯既製金属冠には、ニッケルクロム合金などが用いられています。

◆乳歯既製金属冠の特徴

乳歯既製金属冠には、歯型を取る必要がない、治療期間が短い、耐久性が高いなどの特徴があります。

歯型が必要ない

乳歯既製金属冠は既製品です。
用意されているサイズの中から適切なサイズを選び、歯に合わせて調整して装着するため、歯型を取る必要がありません。

治療期間が短くなる

歯型をとる一般的な被せ物の場合、歯型をとり、歯型をとった後、後日完成した被せ物を装着するのが一般的です。
乳歯既製金属冠なら、その日のうちにサイズ調整をして取り付けられるので、治療期間が短くなります。

耐久性の高さ

乳歯既製金属冠は既製品ですが金属製なので、噛み合わせの力に耐えられるだけの高い強度を備えています。

広い範囲の虫歯に対応

歯冠全体を覆うため、大きな虫歯だけでなく、一つの歯に何箇所も虫歯ができた場合にも対応できます。

保険診療の対象

乳歯既製金属冠は、保険診療の対象となる場合があります。

歯を削る量が少ない

乳歯既製金属冠は、歯型をとって作る一般的な銀歯のような形に歯を削る必要がありません。
症例によっては、歯を削る量を抑えながら装着できます。

やわらかい

一般的な銀歯と比べると、乳歯既製金属冠はやわらかいです。
一般的な永久歯用の金属冠と比べて薄く、乳歯に合わせて調整しやすい特徴があります。

技術的な難しさ

乳歯既製金属冠は既製品です。
適切なサイズを選び、適切な形に合わせるのは、歯科医師の経験と技術に左右されます。

用意している歯科医院が限られる

全ての歯科医院で乳歯既製金属冠が用意されているわけではありません。

◯乳歯既製金属冠での治療はよくない?

乳歯既製金属冠の治療は、”見た目の不自然さ””調整が難しい””プラークのつきやすさ”などから、好まれないこともあります。

◆見た目

乳歯既製金属冠は銀歯と同じような色合いですので、見た目は良いとはいえません。

◆調整が難しい

乳歯既製金属冠は、適切に調整しないときちんとフィットできません。
ところが、調整の精度には歯科医師の経験や技術が大きく関係しています。
きれいにフィットできなかった場合、磨き残しが生じやすくなるので、乳歯の虫歯の再発リスクが高まります。

◆プラークがつきやすい

乳歯既製金属冠が歯に適切に合っていなかったり、歯と冠の境目に磨き残しが生じたりすると、プラークがたまりやすくなることがあります。
プラークがついたままになっていると、虫歯が再発しやすいだけでなく、歯肉が腫れる原因にもなります。

◆生え変わりに影響することもある

乳歯既製金属冠は、大きな虫歯の治療に使われる治療法です。
大きな虫歯の場合、歯の神経を取ることがありますが、これは乳歯も同じです。

乳歯が永久歯に生え変わるときは、乳歯の歯根が永久歯の歯冠に押されて少しずつ溶けていき、やがて抜けます。
神経の治療を受けた乳歯は、歯根が溶かされにくく、自然に抜けないこともあり、その場合は抜歯して乳歯を取り除きます。

これは乳歯既製金属冠そのものが生え変わりを妨げるという意味ではなく、虫歯の進行状態や神経の治療などによって、乳歯が自然に抜けにくくなるケースがあるためです。

◆金属アレルギー

使用されている金属に対するアレルギーがあるお子さんには、使用できない場合があります。

◯乳歯既製金属冠以外の治療法

乳歯既製金属冠以外の虫歯治療法には、コンポジットレジン充填があります。

◆コンポジットレジン充填とは

コンポジットレジンとは、歯の色に近い白さのプラスチック材料で、これを虫歯の部分に詰める治療法をコンポジットレジン充填といいます。

◆コンポジットレジン充填の特徴

コンポジットレジン充填には次のような特徴があります。

即日完了する

コンポジットレジン充填は、虫歯を削ってできた穴に直接コンポジットレジンを詰める治療法です。
歯型を取る必要がなく、治療が1日で終わります。
欠けたり取れたりした場合でも、状態によっては修復できることがあります。

目立ちにくい

歯の色に似た白さなので、治療後目立ちにくいです。

金属アレルギーでも問題ない

金属を使用しないため、金属アレルギーがある場合にも選択肢となります。

金属ほどの強度がない

プラスチック材料なので、金属ほどの強さがありません。
このため、欠けたり取れたりすることがあります。

大きな虫歯には使えない

虫歯が広範囲に及び、残っている歯質が少ない場合などには、コンポジットレジン充填が適さないことがあります。
ですが、一つの歯に何箇所かできたような乳歯の虫歯の治療には使えます。

◯まとめ

今回は、乳歯の虫歯治療法のひとつ、乳歯既製金属冠についてお話ししました。

乳歯既製金属冠は、工場で作られた既製品の被せ物で、基本的には乳歯が永久歯に生え変わるまで使用されます。

乳歯既製金属冠は、歯型をとらなくてよく、その日のうちに取り付けられ、その上、強度がしっかりしているのに、やわらかさがあり乳歯のようにすり減ってくれます。

その一方で、目立ちやすさや金属アレルギー、調整の難しさなどから、使いづらい面があるのも事実です。

また、神経の治療を受けた乳歯では、生え変わりの時期になっても自然に抜けない場合があり、状態によっては抜歯が必要になることがあります。

乳歯既製金属冠以外の治療法としてはコンポジットレジン充填があります。

虫歯の治療法では、虫歯の状態に合わせた適切な治療法を選ぶことが大切です。

当院では、数多くのお子さんの虫歯の治療を行ってきました。
お子さんの虫歯でお悩みの方、お子さんの虫歯の治療についてご質問のある方などは、当院にぜひお越しください。



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