小児矯正っていつから始めたらいいの?

[2022年04月15日]

こんにちはMM歯科クリニック院長の山脇です。

よく保護者の方から質問されることなので書いておきます。

小児矯正っていつから始めたらいいの?

お子様の歯並びが気になっている保護者の方からよく聞かれる質問のひとつに、

「小児矯正をはじめるタイミングがいつなのかわからない」

というのがあります。

もう少し様子を見ればいいものなのか?
それとも今すぐに何らかの治療をしなければならないものなのか?

など対応に迷うこともあるかと思います。

今回はこういった疑問に小児矯正の特徴を踏まえて回答していこうと思います。

そもそも小児矯正とは?

小児期は成人と違い、体の全てが成長途中であり、歯科でいうと顎の成長や乳歯から永久歯へ歯の生え替わりが起こる時期です。

この時期行われる矯正を小児矯正といいます。

(小児矯正の前に小児歯科に興味ある方はこちらをご覧ください)

小児歯科ってどんなところ?

そして矯正治療には成長段階によって、I期とII期とに分けられます。
以下にそれぞれ説明していきます。

I期治療

6歳から12歳の間に始める矯正です。

主に小さい顎の成長を促すことや、正しい舌の位置や口周りの筋肉を整えるなど、歯を一本ずつ細かく動かす治療というよりも、理想的な歯並びや咬み合わせに向けての土台作りを目的としています。

拡大床と呼ばれる歯列のアーチを拡げる装置によって歯が生えるスペースを確保していくことや、マウスピース型の装置でお口周りの筋肉を鍛えるなどが治療としてあげられます。

その他、部分的にワイヤーを使用したりすることもありますが、目的は全て上で述べた通りで同じです。

既にかなりの歯のガタツキが見られる場合でも、I期治療である程度の土台作りをしておくことで、その後に続くII期治療へのスムーズな移行に繋がります。
小児矯正というと、このI期治療を指すこともあります。

II期治療

12歳から成人の方までが対象となり、乳歯から永久歯への生え変わりもほぼ終わった頃、中学生頃からスタートする矯正治療です。

成人も対象となるため、本格矯正とも呼ばれます。
I期治療とは異なり、歯一本一本を細かく積極的に動かし、理想的な位置へ並べて行くことになります。
そして、咬み合わせももちろん、このII期治療でしっかり改善させていきます。
みなさんが矯正装置と聞いてよく思い浮かべるようなワイヤーを使用した装置をこの時期から使用していくことが多いです。

ただ、最近では、透明な目立たない装置としてマウスピースを利用したり、歯の表側ではなく裏側に装置をつけたりするようなケースもあります。

小児の歯並びで大切なI期治療

矯正というと、一般的にII期治療をイメージされるかもしれませんが、上で述べたように小児矯正ではこのI期治療が重要になることは理解いただけたと思います。

ではこのI期治療を行うことのメリットは何でしょうか。
これは小児矯正をいつから始めればいいのか、という点においても重要なポイントとなります。

上でお話ししたI期治療の内容を踏まえてメリットを並べてみると以下のものがあげられます。

・顎の成長を利用できるため、II期治療が必要となっても治療期間を短縮できる可能性がある。
・将来的に不足する可能性のある歯の萌出スペースを確保することができる。
・顎の成長が促進され、歯列のアーチが大きくなることで歯を抜かない矯正が期待できる。
・お口周りの筋肉のバランスが整うことで、将来歯を並べた後も、その状態をキープしやすくなる。

このように、I期治療を行うメリットは多くあります。

一方で、II期治療から始めるのではだめなのか、というとそういうわけでもありません。
社会人になってから矯正治療を始める方もたくさんいらっしゃいますし、いつからでも始めるチャンスはあります。

ただ、II期治療の時期には顎の成長もI期治療ほど見込めないこと、それによって歯を並べるスペースの確保が困難になったり、上下の顎の位置関係の改善が困難になったり、と理想的な歯並びまでのハードルが高くなることが予想されます。

その場合、当然、トータルの矯正期間も長くなり、費用も多くかかる可能性が高くなります。

歯列不正だけでなく、骨格的な要因での不正咬合の場合、顎の成長が見込めないII期治療では改善不可となることもあります。

こういった意味でも、I期治療が理想的な歯並び、咬合せにとっていかに重要かがおわかりいたいただけると思います。

小児矯正の治療開始は早めに、が鉄則

ここまで小児矯正について詳しく説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。

乳歯が全て生え揃う3歳頃から定期的に歯科で予防処置を行っていく方が多いと思います。

可能であればその時期から顎の成長状態など歯科医院で観察してもらう、その経過を追いながら必要であればI期治療を開始する、というのをおすすめします。

そして今お子様の歯並びや咬み合わせが少しでも気になっている方はひとまず歯科医に是非相談してみてください。

今が治療を始める時期ではなかったとしても、今後の顎の成長や歯並びによって将来的に必要になるかもしれない対応を前もって把握しておくことが重要です。
矯正治療で大切なことは適切な時期に適切な対応をとっていくことで、それによってより理想的な歯並び、咬み合わせに近づきます。

是非今回の記事をお子様の矯正治療にお役立ていただければと思います。

小児矯正のメリットに関しては、こちらのブログにもまとめてあります。ぜひご覧ください!!

あまり知られていない子供の頃から始める矯正治療の利点



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