矯正治療中のお口のケアについて

[2023年03月02日]

歯みがきは日常的に行うものですが、矯正治療中は複雑な装置がたくさんついていたり、マウスピースをはめたままになったりしていつも通りの歯磨きが行いにくく、清掃が行き届かないことがあります。せっかく歯並びが綺麗になったとしても、虫歯や歯周病になってしまったらせっかくの治療が台無しです。本日は矯正治療中の歯みがきの方法について詳しく解説していきます。矯正治療を始めたばかりの方や矯正治療を検討している方はぜひ最後までご覧ください。

 

矯正装置の種類によって異なるトラブル

矯正装置には大きく分けて2つの方法があります。1つは歯の表面に接着剤でブラケットと呼ばれる小さなフックを装着し、歯全体にワイヤーをかけて行うワイヤー矯正です。もう1つは、個々の歯に力がかかるように設計された特殊なマウスピースをはめて行うマウスピース矯正です。2つの違いは、自分で外せるかどうかです。ワイヤー矯正では、接着剤で歯に固定しますので、数年間は外せません。一方、マウスピース矯正ではお食事の度に外すことができます。それぞれ、メリットとデメリットがありますが、お口のケアに関しては以下の通りです。

 

ワイヤー矯正によって起きるトラブル

ワイヤー矯正では、装置がとても複雑で今までの歯ブラシでは歯の表面まで磨けない可能性があります。全ての歯がワイヤーで連結されていますから、歯と歯の間や歯とブラケットの境界部分にワイヤーを乗り越えて歯ブラシを届かせるのは困難です。

 

マウスピース矯正によって起きるトラブル

マウスピース矯正では装置の取り外しが可能なので、ワイヤー矯正よりも虫歯や歯周病のリスクは少ないように見えます。ところが、マウスピースを長時間付けたままになるので、うっかりマウスピースを着けたまま甘い飲み物を飲んでしまって、マウスピースの中で細菌が増殖するといったことがよく起こります。

 

矯正治療中のお口のケアの方法

マウスピース矯正の場合には、食事の前にマウスピースを外して流水下で歯ブラシを使って擦り洗いをしましょう。お食事やお水以外の飲み物を飲食する際には、必ずマウスピースを外すようにしましょう。

 

まずはしっかりブラッシング

矯正治療中も歯みがきの基本は歯ブラシによるブラッシングです。歯と歯の間、歯と歯ぐきの間にブラシが当たるようにみがきます。ブラケットが入っていると歯に歯ブラシが当たりにくいので、歯ブラシの毛足が長めのものを選ぶとよいでしょう。みがき方のコツとしては、ワイヤーの上下からブラシを差し込むようにして歯面に届かせるとよいです。

 

デンタルフロスを習慣にしましょう

矯正治療中でなくても、デンタルフロスを使う習慣をつけましょう。歯ブラシだけのブラッシングでは、約6割しか汚れを落とすことができないと言われています。デンタルフロスは汚れがたまりやすい歯と歯の間を効率的に磨けるので、今まで使っていなかった方はぜひ習慣にしてみてくださいね。夜1回だけでも大丈夫です。

 

ブラケット周りは補助器具もおすすめ

ブラケット周囲の細かい汚れを落としたり、ワイヤーに挟まった食べかすを取るのには、補助器具がおすすめです。小さいヘッドの1本みがき用タフトブラシや大きめの歯間ブラシをワイヤーのすき間から入れることによって、歯ブラシでは届きにくいブラケット周囲のプラークを落とすことができます。

 

目的にあった洗口剤を使おう

洗口剤(マウスウォッシュ)というと、きついミントの味を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか?現在では、様々な種類の洗口剤が発売されており、アルコールフリーや低刺激のものも多く存在します。歯周病予防なら消毒薬が入ったもの、虫歯予防ならフッ素洗口液がよいでしょう。歯科医師の先生に処方してもらえる薬もありますので、効果的に使うなら一度歯科医院で相談してみるとよいでしょう。

 

正しいブラッシングは定期健診で確認しよう

矯正治療中は歯並びが変化するので、同じ方法でみがいていても磨き残しが起きることがあります。歯の動きや装置の変更に合わせて、ブラッシング方法も変えていかなければなりません。今のみがき方でしっかり汚れが取れているのか、次の装置が入ったらどんな所に気を付けたらいいのかということを定期健診の際によく教わってください。また、どうしても矯正装置が入ったままだと歯ブラシが届かない場所があります。プロのクリーニングを定期的に受けることで、装置のすき間を清潔に保ちましょう。

 

まとめ

矯正治療中は、治療の期間が長く、毎日丁寧にブラッシングを続けることは難しいと思います。ですが、せっかく歯並びが綺麗になっても、虫歯や歯周病で治療が必要になってはもったいないことです。矯正治療中に丁寧なブラッシングが習慣になってしまうと、装置を外した後もお口のケアがとても上手になります。ぜひ、矯正治療の最後まで丁寧なお口のケアを行っていきましょう。



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