矯正治療中の口内炎対策について

[2022年03月28日]

こんにちはMM歯科クリニック院長の山脇です。

矯正治療中は口内炎ができやすい?原因と対処法とは?

歯科矯正治療を始めて、口内炎ができやすくなったと感じる方は多くいらっしゃいます。

ただでさえ矯正器具がお口の中に入っていて気になるのに、さらに口内炎に悩まされるとなると大変です。

口内炎はできてしまうと治るまで痛くて気になってしまいますよね。
矯正治療中の口内炎は矯正器具が当たってしまうことによってできるものが多いですが、別の口内炎のこともあります。

担当の先生とよく話し合って、自分に合った対処法を探していってくださいね。
今回は矯正治療中の口内炎がなぜできてしまうのか、原因と対策について考えていきましょう。

口内炎の種類
矯正治療中に限らず、口内炎にはいくつかの種類があります。

矯正器具が当たることによっておきるカタル性口内炎
矯正治療中の口内炎で最も多いのがカタル性口内炎です。矯正治療中は装置が口の中に入ったままになるので、無意識に舌や頬に当たって傷を作ってしまうことがあります。

横向きで寝る癖がある方だと、朝起きて口内炎ができてしまうということもあります。矯正器具だけでなく、入れ歯や歯がとがっている場合にも起きることがあります。
周囲が赤く腫れている、水ぶくれができる、口内炎の部分が熱を持っている、周囲との境界がはっきりしないなどの特徴があります。カタル性口内炎は、矯正治療中の初期に起きやすく、刺激の原因になっている物を取り除けば数日でよくなります。

アフタ性口内炎
口内炎の中で、最も多いのがアフタ性口内炎です。
数ミリの小さな白い口内炎で、周りが赤くなっています。2〜3個同時にできることもあります。

アフタ性口内炎は、全身の免疫力低下や栄養の偏りなどによって起きます。矯正治療中は、どうしても食事がまともに摂れなかったり、装置が気になってしまったりとストレスがかかることが多いです。

疲れやストレスが原因でできる口内炎なので、食生活や十分な休息を意識しましょう。

カンジダ性口内炎
お口の中の常在菌の一種に「カンジダ」というカビがあります。
このカンジダ菌が異常に増殖してしまうと粘膜に白い膜ができます。カンジダが増殖した粘膜は赤くなり、痛みを伴います。

カンジダ性口内炎は別名「義歯性口内炎」とも呼ばれ、義歯(入れ歯)を装着している方に多く見られます。
口の中が不潔だと、カンジダが増殖しやすいので、清潔に保つように意識しましょう。

特にマウスピース矯正では、マウスピースの中にばい菌が増殖しやすいので、食事の際は必ず外して歯磨きをしてから装着するようにしましょう。

ウイルス性口内炎
ヘルペスやクラミジアなどのウイルス感染によってできる口内炎です。上あご(口蓋)や歯肉などの固い組織にもできる口内炎で、小さな口内炎が多数集まったような状態になります。痛みや発熱があることも多いです。

ウイルス感染は免疫力低下によって起きることが多いです。通常安静にして2週間ほどで口内炎は消えていきます。

金属アレルギーによる口内炎
金属の被せ物や矯正装置に粘膜が接触することによって起きる口内炎です。金属が接していた部分が赤くただれてしまいます。

金属アレルギーは口の中だけでなく、手や首にも出現しますので、時計やアクセサリーでかぶれるという方は、治療を開始する前に担当の先生にご相談ください。最近では、金属を使わない治療もたくさんありますので、金属アレルギーがあるからと言って治療をあきらめなくても大丈夫です。担当の先生と話し合って、使用する素材を選んでいきましょう。

矯正治療中の口内炎の対処法

ワイヤーの保護
ワイヤー矯正の初期は、ガタガタしている歯の外側にワイヤーを通すため、粘膜がワイヤーと接しやすくカタル性口内炎ができやすいです。歯並びが整ってきて、矯正治療に慣れてくると口内炎ができにくくなってきます。それまでは、矯正用のワックスをお使いください。矯正用のワックスは、小豆大にちぎって使います。ワイヤーの周囲をティッシュなどで水分を拭いてから貼りましょう。小さく丸めて飛び出ているワイヤーに押し付けるとワイヤーに貼り付けるとくっつきます。

栄養バランスを整える
口内炎には、ビタミンBやCが不足していることが原因として挙げられます。ビタミンBを多く含む食材としては、レバーなどの肉、魚、納豆などがあります。ビタミンCを多く含む食材は、キウイフルーツ、海苔、カリフラワーなどがあります。粘膜の治りを助けるビタミンのサプリメントを活用することもおすすめです。

痛み止を持ち歩く
歯医者さんで処方されたものがあればよいですが、無ければ市販の鎮痛剤でも持っていると安心です。一般的に飲み薬は効果が出るまで1時間ほどかかるので、痛みが出だしたら早めに飲みましょう。

まとめ
矯正治療中はお口の中に装置が入ったままになるので、口内炎ができやすい環境になります。口内炎と言っても様々な種類がありますので、数日たってもよくならない場合には、かかりつけの歯医者さんに相談してみましょう。



mapを見る

電話をかける