食事のリズムと虫歯の関係

[2023年10月28日]

忙しい中、食事のリズムがうまくいかなかったり、
間食が多い1日って、よくあるかと思います。

食事のリズムと虫歯の関係について、
お話してゆきます。

是非参考にして下さい。

 

目次

◯食事のリズムが歯に与える影響

 ①食事や間食によって口腔内環境が変化する影響

 ②食事や間食に含まれる栄養素が歯に与える影響

 ③食事や間食によって咀嚼機能や唾液分泌が変化する影響

◯間食を減らすことが大切。ダラダラ食べは控える

◯まとめ

 

 

食事のリズムが歯に与える影響

食事のリズムが歯に与える影響は、3つに分けられます。

 

①食事や間食によって口腔内環境が変化する影響

食事や間食をすると、
口腔内環境は大きく変化します。

特に重要なのは、pH(酸性度)と細菌数です。

pHは、水素イオン濃度を表す指標で、
0から14までの数値で示されます。

7が中性であり、
それ以下が酸性、
それ以上がアルカリ性です。

細菌数は、
口腔内に存在する細菌の量を表します。

食事や間食をすると、
口腔内には糖分やタンパク質などの栄養素が入ります。

これらの栄養素は、
口腔内に常在する細菌の餌となります。

細菌は栄養素を
分解してエネルギーを得る過程で、
酸を生成します。

この酸によって、
口腔内のpHは低下し、
酸性に傾きます。

口腔内が酸性になると、
歯や口腔組織に悪影響を与えます。

歯はエナメル質(最も硬い組織)と
象牙質(エナメル質の下にある組織)から
構成されていますが、
これらの組織は
カルシウムやリンなどのミネラルでできています。

酸はミネラルを溶かす性質があります。

そのため、酸性環境では歯からミネラルが溶出し、
表面が弱くなります。

これを脱灰といいます。

脱灰された歯は
虫歯になりやすくなります。

虫歯とは、
細菌が作った酸で歯が溶かされて穴が開くことです。

虫歯は、
初期段階では自覚症状がないことが多いですが、
進行すると歯の色が変わり、
痛みやしみる感覚が出たりします。

最悪の場合、
歯の神経や根の部分まで侵されて、
歯を失うこともあります。

食事や間食によって
口腔内環境が変化する影響は、
一時的なものではありません。

食事や間食をするたびに
口腔内は酸性に傾きますが、
唾液や水分摂取などによって
中和されて中性に戻ります。

この中和されるまでの時間は、
20分から1時間程度かかります。

つまり、食事や間食の回数や時間が多いほど、
口腔内は長く酸性になります。

また、食事や間食の内容によっても
口腔内の
pH変化は異なります。

例えば、
糖分や酸味の強いものは
pHを急激に低下させます。

一方で、乳製品やチーズなどは
pHを上昇させる効果があります。

 

②食事や間食に含まれる栄養素が歯に与える影響

歯は、
エナメル質、象牙質、セメント質、歯髄などの
組織から構成されています。

これらの組織は、
カルシウムやリンなどのミネラルや、
コラーゲンなどのタンパク質でできています。

また、
歯の発生や成長には、
ビタミン
AやビタミンDなどの
ビタミンも必要です。

食事や間食に含まれる栄養素は、
歯に以下のような影響を与えます。

カルシウムやリンなどのミネラルは、
歯の硬さや強度を保つために重要です。

特にエナメル質は、
カルシウムとリンの化合物である
ハイドロキシアパタイトでできています。

カルシウムやリンが不足すると、
歯が脱灰されやすくなり、
さらに歯が弱くなります。

脱灰された歯は虫歯になりやすくもなります。

タンパク質は、
歯の土台となるコラーゲンを
作るために必要です。

コラーゲンは、
象牙質やセメント質などの
組織に含まれています。

タンパク質が不足すると、
歯の形成や修復が妨げられます。

ビタミンAは、
エナメル質の形成に関与しています。

ビタミンAが不足すると、
エナメル質が正常に作られず、
歯が変形したり欠けたりします。

ビタミンDは、
カルシウムやリンの吸収を促進し、
骨や歯の形成を助けます。

ビタミンDが不足すると、
カルシウムやリンが不足しやすくなります。

  

③食事や間食によって咀嚼機能や唾液分泌が変化する影響

食事や間食によって口腔内環境が変化する影響や、
食事や間食に含まれる栄養素が
歯や口腔組織に与える影響のほかに、
食事や間食によって咀嚼機能や唾液分泌が変化する影響もあります。

咀嚼機能や唾液分泌は、
歯にとって重要な役割を果たしています。

咀嚼機能は、食べ物を消化しやすくしたり、
味覚を感じたりするだけでなく、
歯や顎の筋肉を鍛えたり、
血行を良くしたりする効果もあります。

唾液分泌は、
口腔内を清潔に保ったり、
pHを中和したり、
再石灰化を促進したりするだけでなく、
抗菌作用や免疫作用もあります。

食事や間食のリズムが乱れると、
咀嚼機能や唾液分泌にも悪影響を与えます。

例えば、以下のような場合です。

食事の回数が少ないと、
咀嚼機能が低下し、
歯や顎の筋肉が衰えたり、
血行が悪くなったりします。

また、唾液分泌も減少し、
口腔内の自浄作用や防御作用が弱まります。

食事の時間が短いと、
十分に咀嚼しないで飲み込んでしまうことが
多くなります。

これも咀嚼機能の低下や
唾液分泌の減少につながります。

食事の内容が柔らかいものばかりだと、
咀嚼する必要がなくなります。

これも同様に咀嚼機能の低下や
唾液分泌の減少につながります。

食事の内容が甘いものばかりだと、
唾液の
pHが低下し、
再石灰化が阻害されます。

また、甘いものは虫歯菌の餌になります。

以上のように、
食事や間食のリズムが乱れると、
咀嚼機能や唾液分泌にも影響を与えてしまいます。

歯の健康に影響します。

 

間食を減らすことが大切。ダラダラ食べは控える

間食やダラダラ食べが歯に悪い理由は、
口の中の酸性度が変化するからです。

私たちの口の中には常に虫歯菌がいますが、
この菌は糖分を餌にして酸を作り出します。

この酸によって、
歯に穴が開いて虫歯になってしまいます(脱灰)。

口の中には唾液もあります。

唾液は酸を中和したり、
溶け出した成分を
歯に戻したりする効果があります(再石灰化)。

しかし、間食が多ければ多いほど、
口の中は酸性に傾きやすくなります。

再石灰化が十分に行われる前に
また脱灰が起こってしまいます。

その結果、
脱灰と再石灰化のバランスが崩れて、
虫歯が進行してしまいます。

 

まとめ

間食が多ければ多いほど、
口の中は酸性に傾きやすくなります。

再石灰化が十分に行われる前に
また脱灰が起こってしまいます。

その結果、
脱灰と再石灰化のバランスが崩れて、
虫歯が進行してしまいます。

では、虫歯を予防するためにはどうすればよいでしょうか。

まず、間食を控えることが大切です。

特に甘いものやジュースなどは
虫歯菌の餌になりやすいので注意しましょう。

もし間食をしたら、
すぐに歯磨きをするか水で口をすすぐことも効果的です。

 



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