
子供の歯ぎしり、大丈夫?大人との違いと受診すべきサインを解説
[2025年06月18日]
はじめに
夜中にお子さんの「ギリギリ」という歯ぎしりの音で目が覚めた経験はありませんか?まるで大人のような大きな音に驚いて、「歯がすり減ってしまうのでは?」「歯並びに悪影響があるのでは?」と心配になる保護者の方も多いでしょう。
実は、子供の歯ぎしりと大人の歯ぎしりは全く異なるものです。大人の歯ぎしりが問題となることが多いのに対し、子供の歯ぎしりはほとんどの場合、成長の過程で起こる自然な現象なのです。
今回は、子供と大人の歯ぎしりの違いについて詳しく解説し、どのような場合に歯科医院を受診すべきかお伝えします。この記事を読んで、お子さんの歯ぎしりに対する不安を解消していただければと思います。
目次
- ◯子供の歯ぎしりと大人の歯ぎしりの基本的な違い
- ◆発生時期の違い
- ◆原因の違い
- ◆治療の必要性の違い
- ◯子供の歯ぎしりの特徴とメカニズム
- ◆成長に必要な生理現象
- ◆年齢別の歯ぎしりの特徴
- ◆子供の歯ぎしりが起こる理由
- ◯大人の歯ぎしりの特徴と問題点
- ◆ストレスとの関連性
- ◆歯や顎への悪影響
- ◆治療が必要になる理由
- ◯歯科受診が必要なケースとは
- ◆子供で注意すべき症状
- ◆適切な受診のタイミング
- ◯まとめ
子供の歯ぎしりと大人の歯ぎしりの基本的な違い
発生時期の違い
子供の歯ぎしりは、乳歯が生え始める生後6~8か月頃から始まり、12歳頃まで続くことが一般的です。特に3歳半から6歳がピークとなり、その後多くの場合は自然に解消されていきます。
一方、大人の歯ぎしりは永久歯が生え揃った後に発生し、自然に治ることは少なく、治療や対策が必要になることが多いのが特徴です。
原因の違い
子供の歯ぎしりの主な原因は、顎の成長や歯並びの調整という生理的なものです。歯を擦り合わせることで噛み合わせの違和感を解消し、正しい顎の位置を決定したり、永久歯が生えるスペースを作ったりしています。
大人の歯ぎしりは、ストレスや睡眠時無呼吸症候群、顎関節症などの病的な要因が原因となることが多く、医学的な治療が必要になる場合があります。
治療の必要性の違い
子供の歯ぎしりは生理現象であるため、治療対象になることはほとんどありません。しかし、大人の歯ぎしりは歯のすり減りや顎関節への負担が大きく、積極的な治療が推奨されます。
子供の歯ぎしりの特徴とメカニズム
成長に必要な生理現象
子供の歯ぎしりは、実は健全な成長に伴ってよく見られる生理的な現象です。乳歯期から永久歯期への移行過程で、顎の骨の成長に合わせて歯の位置を調整する重要な役割を果たしています。
歯ぎしりによって歯がすり減ることで、噛み合わせのバランスが整い、正しい咀嚼機能の発達につながります。子供の場合は歯の成長が続いているため、多少すり減っても問題になりません。
年齢別の歯ぎしりの特徴
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1歳未満では、乳前歯が生えてきた直後から歯ぎしりが始まることがあります。この時期の歯ぎしりは、上下の歯の接触感覚を学習する過程であると考えられています。
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幼児期(2~5歳)では、乳歯が全て生え揃い、噛み合わせの微調整のために歯ぎしりが活発になります。
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学童期(6~12歳)に入ると、永久歯への生え変わりに伴い、新しい歯の位置決めのための歯ぎしりが見られます。
子供の歯ぎしりが起こる理由
子供の歯ぎしりは、深い睡眠から浅い睡眠に変わる際に起こりやすいとされています。約20%の子供に見られる一般的な現象で、性別による差はありません。
また、日常生活のストレスが原因となることもありますが、大人のストレス性歯ぎしりとは異なり、一時的なものが多く、環境の変化に適応すると自然に治まることがほとんどです。
大人の歯ぎしりの特徴と問題点
ストレスとの関連性
大人の歯ぎしりは、主に心理的ストレスや睡眠の質の低下と密接に関係しています。仕事のプレッシャーや人間関係の悩み、生活環境の変化などが引き金となり、無意識のうちに歯を食いしばったり、擦り合わせたりしてしまいます。
現代社会ではストレスを完全に避けることは困難なため、大人の歯ぎしりは慢性化しやすく、継続的な対策が必要になります。
歯や顎への悪影響
大人の歯ぎしりは非常に強い力がかかるため、歯のすり減りや欠け、詰め物の脱落などを引き起こします。また、顎の筋肉の疲労や顎関節症、頭痛、肩こりなどの全身症状にもつながることがあります。
さらに、歯の根にまで影響が及ぶと、歯が割れたり、神経が死んでしまったりして、抜歯が必要になるケースもあります。
治療が必要になる理由
大人の場合、歯の成長が完了しているため、歯ぎしりによってすり減った歯は元に戻りません。放置すると症状が悪化し、より複雑で高額な治療が必要になる可能性があります。
そのため、ナイトガードの装着やストレス管理、必要に応じて歯科治療や心理療法など、包括的なアプローチが重要になります。
歯科受診が必要なケースとは
子供で注意すべき症状
子供の歯ぎしりは多くの場合心配いりませんが、次のような症状があるときは小児歯科を受診しましょう。
すぐに相談が必要な症状
歯が明らかにすり減っている場合は要注意です。放置すると将来の噛み合わせに悪影響を及ぼす恐れがあります。
歯が欠けたり割れたりしているときは、夜間用のマウスピース(ナイトガード)で歯を守る必要があるかもしれません。
年齢による判断基準
6歳を過ぎても歯ぎしりが続いている場合は、癖として定着している可能性があるため、専門医の診断を受けることをおすすめします。
痛みや不快感がある場合
お子さんが歯や顎の痛みを訴えるとき、朝起きたときに顎が疲れていると言うときは、睡眠中に過度な力がかかっている証拠です。早めの受診で適切な対処法を見つけましょう。
これらの症状に当てはまる場合は、一人で悩まず小児歯科医に相談してください。
適切な受診のタイミング
日常生活に支障をきたすほど大きな音の歯ぎしりが続く場合や、家族の睡眠を妨げるほどの症状がある場合は、小児歯科医に相談してみてください。
また、歯並びや噛み合わせに明らかな問題がある場合は、歯ぎしりとは別に矯正治療が必要になることもあります。定期的な歯科健診で、お子さんの口腔状態を小児歯科医にチェックしてもらうことが重要です。
まとめ
子供の歯ぎしりと大人の歯ぎしりは、原因も対処法も大きく異なります。子供の歯ぎしりは成長に必要な生理現象であり、多くの場合は治療の必要がありません。一方、大人の歯ぎしりはストレスなどが原因となり、積極的な治療が必要になることが多いのです。
お子さんの歯ぎしりが気になる場合でも、まずは「成長の証拠」として温かく見守ってあげることが大切です。ただし、歯の過度なすり減りや痛みがある場合は、小児歯科を受診して適切なアドバイスを受けましょう。
保護者の皆さんが正しい知識を持つことで、お子さんの健やかな成長をサポートできるはずです。武蔵村山でお住まいでお子さんの歯ぎしりに対して心配な方は、一人で悩まず、MM歯科にご相談ください。