お子さんの歯磨き指導のコツ1 歯磨きにまつわる子どもの不安や疑問に答える

[2023年09月20日]

赤ちゃんの頃は、親の仕上げ磨きだけが歯磨きでした。

子どもの成長に伴い、お子さん自身での歯磨きも大切になってきますね。

でも、お子さんに自発的に歯磨きをさせるのは、思った以上に大変ではありませんか?

 

ここでは、歯磨き(自分磨き)にまつわるお子さんの気持ちを考えていき、前向きな歯磨きのモチベーションを考えていきましょう。

 

目次

1:どうして歯を磨かなくてはいけないの?

2:歯磨き中に生じる不快感に対処する方法

3:歯磨きが嫌いになった場合の対処法

 

 

1.「どうして歯を磨かなくてはいけないの?」

お子さんに「どうして歯を磨かなくてはいけないの?」と言われたら、何と答えますか?

「歯を磨かないと虫歯になるからよ。虫歯になったら、歯が痛くなって、おやつも食べられなくなるのよ。

歯医者さんに連れていかれて、ガリガリ歯を削られるのよ!!」

こんな答えをしていませんか?

間違っているわけではないのですが、これでは子供は「歯磨きをしなかったら、悪いことが沢山起こる・・・」という、ネガティブな印象しか受けなくなります。

歯を磨くと、お口の中の汚れやネバネバが取れて、すっきり爽やかになるのよ。お顔を洗うのと一緒だね。

歯を磨くと、歯がピカピカになって、〇〇ちゃんの大好きな食べ物がおいしく食べられるようになるね。

子どもの歯をしっかり磨いてあげると、カッコイイ(素敵な)大人の歯が生えてくるよ。

大人の歯は、おじいちゃん・おばあちゃんになるまで一生使う大事な歯だから、しっかりと歯磨きをして、いつまでも一緒にいられるようにしようね。

 

など、「歯磨きをすると、どんな良いことがあるか」という前向きな声掛けをするように、心掛けましょう。

もちろん、「もし、歯を磨かなかったら、どうなるの?」と、言われた場合には、虫歯になってしまうことを伝えてかまいません。

ただし、ここで大切なのは、「虫歯になったらどうなるか?」という疑問に対する答え方です。

「歯医者さんに連れていかれるよ」

「ガリガリ削られるよ」

「痛い注射をされるよ」

と、思わず脅かしてしまっていませんか?

この、歯科へのマイナスの印象付けは、非常に困ったことになります。

さんざん脅かされてきた子供たちは、初めて歯科医院に来院した時から恐怖心でいっぱいになってしまいます。

ただの検診であっても、名前を呼ばれただけで半泣きのお子さんも少なくありません。

歯医者さんは、歯を磨かなかった罰で連れていかれるところではありません。

むしろ、一緒にお口の中の健康を守る、正義の味方であることを伝えていただけると嬉しいです。

また、「歯科医院は、虫歯になってから行くところ」ではなく、「お口の健康を守るために定期的に通うところ」であるという位置づけを、家庭内でも確立しておくことも、とても大切です。

 

2. 歯磨きが好きになるには、どうしたら良いの?

お子さんの歯磨き、びっくりするほど短時間で終わったりしませんか?((笑))

お子さんにとって歯磨きは、きれいに磨けているかわかりにくいので、達成感がない行為になってしまいがちです。

「歯磨きしなさい!」と怒られて、とりあえずお口の中を歯磨き粉の泡でブクブクにしたらオッケーかな・・・

そんな考えが頭の中を巡っているのかもしれませんね。

「歯磨きしたら、お口の中がさっぱりするね!」

と、大人から良いイメージを付けてあげるのも効果的です。

また、歯磨き前と後に、前歯の表面を指で触ってみるという方法も。

歯磨き前は、歯の表面はネバネバしている感じがありますが、歯ブラシでしっかり磨くとネバネバが取れているのがわかると思います。

このようなことで、「歯磨きできれいになっている」ことを実感していくようにしましょう。

最近では、汚れを赤く染め出すことの出来る歯磨き粉なども市販されていますので、毎日でなくても、週に1回、セルフチェックを行うのも良いですね。

その際は、「磨けていないところをチェックする」のではなく、「前回より磨けているところを見つけて褒めてあげる」ことが、歯磨き上達の秘訣です。

 

また、小学生までは大人の仕上げ磨きは必須です。

特に年長さん~小学生のお口の中は、永久歯と乳歯が混じって生えている時期で、グラグラ揺れている乳歯や、歯肉から頭をのぞかせている永久歯など、磨きにくいところが多くあります。

子どもに全てを磨かせなくてはならない!・・・と思うより、足りないところは仕上げ磨きできれいにしよう。という大人側の、心の余裕も大切かもしれませんね。

さきほどの汚れの染め出しなど、お子さんが磨けていないところがはっきりわかります。

それによって、仕上げ磨きの際に、どこを重点的に磨くべきかの指標になるので、とても便利ですよ。

 

 

3:歯磨きが嫌いになってしまったら、どうしたらいいの?

子どもが歯磨き嫌いになってしまったら、どうすれば良いのでしょうか。

そんな時は、歯磨きでの嫌なところを聞いてみてください。

よくある理由と、その対処策をみていきましょう。

「ツバで口の中がいっぱいになるから嫌だ」

唾液がお口の中にたまってしまう場合は、途中で一度、唾液をペッと出すようにしましょう。

また、歯磨き粉の刺激で唾液が出やすくなっていることも考えられるので、歯磨き粉を少量にする、もしくは付けるのを止めてしまっても構いません。

 

「オエッってなるのが嫌」

まずは歯ブラシのヘッドの部分の大きさを確認しましょう。

大きすぎるヘッドは、オエッとなりやすくなります。

また、お口の奥のほうにガシガシ当たらないように、歯ブラシを小刻みに動かすようにしましょう。

口を過剰に大きく開けすぎないで、少し閉じ気味で磨くことや、上を向かずに少し下向き気味で磨くのも効果的です。

 

「歯磨き粉の味が嫌」「歯磨き粉自体が嫌」

子供用の甘い歯磨き粉が苦手なお子さんも、意外に多いものです。

歯磨き粉の味を変えてみるのも良いですね。

また、すすぎやすいジェルタイプや、泡タイプのものにしてみるという方法もあります。

   歯磨き粉なしで磨いても、もちろん大丈夫ですよ。

  

まとめ

お子さんからの「どうして歯をみがかなくてはいけないの?」の質問には、「歯を磨くとスッキリするね。」「食べ物が美味しく食べられるね」など、ポジティブに答えるよう心掛ける。

歯医者さんはお口の健康を守る味方であること。歯科医院は、定期的に通うところというイメージをつけていくことも大切。

歯磨きが好きになるためには、「磨けている」「きれいになっている」という達成感を実感させることが大切。

染め出しでは、「磨けていないところ」よりも「磨けているところ」を探して褒めてあげるほうが効果的。

歯磨きが嫌いになったら、まず理由を聞き、対処していくことが大切。

歯ブラシの大きさや歯磨き粉、歯磨きの際の姿勢などを改善することによって、不快なことがなくなることも考えられる。

 

歯磨きは、毎日行うものです。

出来るだけ、親子共にストレスを感じることなく、しっかりとした歯磨き習慣をつけていきたいですね。

歯磨きで困ったことがあれば、当院にご相談ください。

一緒にお子さんの歯磨きについて、考えていきましょう。

 



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