その悪い歯並び、お口ポカンが原因かも!?

[2022年03月07日]

こんにちはMM歯科クリニック院長の山脇です。

【お口ポカンになっていませんか?】

普段テレビを見ている時、夜寝ている時、何かに集中している時など、お子様の口がポカンとあいたままになっているのを見たことはありませんか?

口がポカンと開いている状態が日常的に見られる場合、鼻呼吸ではなく「口呼吸」になっている可能性が高いといえます。

口呼吸と歯並びの関係は非常に深く、この口呼吸によって起きる口周りの変化が歯並びを悪化させる大きな要因となります。

ではなぜ口呼吸をしてしまうのか、実際に口呼吸が歯並びにどのように影響するのでしょうか。
今お子様の歯並びを心配されている方に是非知っていただきたい点を以下にまとめました。
そしてその改善方法ついても併せてお話ししていきます。

◎口呼吸の原因とは?
口呼吸となる原因は何でしょうか。
慢性鼻炎やアレルギーなどの鼻疾患がある場合、どうしても口呼吸になってしまうことがあります。
一方で、舌の位置が正しくない、というのも大きな原因の一つです。

お口の中で、舌の正しい位置、置き場所があるのをご存知でしょうか。
正しい位置というのは、軽くお口を閉じた時に、舌の先が上の前歯の裏側に接触している状態です。
この正しい舌の位置を舌スポットといいます。

常日頃から口呼吸になっている方は、舌が下顎の中に収まってしまい、舌スポットの位置にはありません。
逆にいうと、舌が正しい位置にあれば口呼吸にはなっていないということです。

そして、この後も詳しくお話ししますが、舌スポットにきちんと舌を維持できないというのは、お口周りの筋肉や舌の筋肉のバランスが悪い状態から生じているからといえます。

◎口呼吸はなぜ歯並びを悪化させる?
まず、正しい理想的な歯並びというのは、U字型のアーチをしており、顎の大きさ、歯の大きさ、口腔周囲筋と呼ばれる口唇や頬、舌の筋肉のバランスが良好にとれている中で導かれます。

つまり、逆にいうと、歯並びが悪い状態というのは、これらのバランスが取れていないということを意味します。
バランスが取れていないことがどのように歯並びの悪化に繋がるのか、具体的に説明していきます。

口呼吸は口が常に開きっぱなしの状態にあるということです。
口を閉じる筋肉がなく口呼吸が続くと自然と左右の頬の粘膜の圧力が優位になり、それによって側方から歯列へ力がかかります。
このことによって、歯列の形はU字からV字型のアーチに変化してしまいます。
そして次第に、前歯が前方に押し出された出っ歯のような口元になってしまいます。

また、歯列がU字型からV字型のアーチになるということは、当然前歯の歯が並ぶスペースは狭くなります。
これによって、狭いスペースに無理やり歯が収まろうとするため、歯が重なり合ってしまったり、本来の正しい場所ではないところに歯が生えてきたり、ということがおきてしまいます。
また、下顎も下方へ成長していく傾向にあり、顔も面長な印象になります。

正しく歯が並んでいないとなれば、当然咬合せにも影響します。
このように、口呼吸は常態化すると歯並びの悪化、不正咬合に繋がってしまうのです。

◎口呼吸は他にも影響が!
口呼吸は歯並びや咬み合わせだけでなく、体調にも影響があることが指摘されています。
以下に例をあげてみます。
・睡眠時無呼吸症候群
就寝中、舌が落ち込むため気道が狭くなることで生じやすくなります。
眠りが浅く、体調不良の原因となります。
・免疫力低下
口呼吸では、本来鼻呼吸においj鼻毛や粘液によって行われるウイルスや細菌などの異物の除去ができません。
そのため、直接細菌やウイルスを気道に持ち込むことになります。
風邪を引きやすくなったり、病気にかかりやすくなるといったことが起きます。

このように、口呼吸は体にも大きな影響があり、成長期のお子様にとっては特に注意が必要ですし、もし今口呼吸をしているとすればやはり改善していく必要があるでしょう。

◎お口ポカンはどうやって治すの?
では口呼吸となるお口ポカンを改善するにはどうすればいいのでしょうか。

・耳鼻咽喉科の受診
鼻疾患が口呼吸をしてしまう主な原因の場合は、耳鼻咽喉科などでまずはこちらの治療を進めていく必要があります。

・矯正治療
一旦悪くなってしまった歯並びを積極的に改善し、これによって正しい位置に歯が並んでいくことで、舌スポットへの舌の位置改善が図りやすくなり、口周りの筋肉のバランスも整えやすくなります。
これによって、口呼吸の改善もしやすくなります。

・口腔筋機能療法(MFT)
Myofunctional Therapy と呼ばれる、舌や口唇周りの弱っている筋肉を鍛えてトレーニングすることで、正しい舌や口唇位置に持って行く治療法のことです。
お口の体操をしたり、ストローや専用の器具を使って舌の口唇周りの筋肉に負荷をかけたり、体の筋肉を鍛えるのと同じように、沢山のトレーニングの種類があります。
歯科では最近ではマウスピース型のトレーニング装置もよく使用されるようになってきました。
まだ歯並びに影響は出ていないけれど口呼吸が見られるケースや、乳歯から永久歯への交換期の時期だが将来的に歯が並ぶスペースが不足しそうなケースがよくあります。
お子様の場合、これからまだ顎の成長していくので、マウスピース型のトレーニング装置を使いながらその成長を上手く利用して正しい歯列、咬合せに誘導していくことがあります。
また、矯正治療をしている歯科医院では、歯列を整えると同時にこのMFTを積極的に行っているところが多くあります。
矯正治療には一度並べた歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」のリスクがありますが、それを防ぐことにも繋がるからです。

◎口呼吸の改善で心身ともに健やかな成長を
ここまで、歯並びとお口ポカン、口呼吸との関係性やその他の影響についてお話ししてきましたがいかがでしたでしょうか。
歯並びが悪化するのには、やはり何らかの原因があります。
口呼吸はその一つです。
今は歯並びに問題がなくても、お口ポカンの状態が見受けられた場合は、将来的に不正咬合になる可能性があります。
小児期の早い時期から対処していくことが、お口の中だけでなく、健康な体への成長に繋がります。
少しでも歯並びや口呼吸に不安があれば、是非早いタイミングでご相談ください。



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