実際の子供と大人の矯正治療の違いについて 治療中・治療後の注意事項

[2022年03月14日]

こんにちはMM歯科クリニック院長の山脇です。

矯正治療における大人と子供の違いについて書きます。

矯正治療において子供と大人の治療では異なる事があります。子供の場合は体の成長に伴い顎も成長するため、それに対してアプローチする方法があります。一方で、大人には顎の成長はありません。従って、顎に対してのアプローチに関しては外科的に手術を行い理想的な位置に近づける事になります。もちろん、やらなくてはいけない場合に限られますし、実際にやると決めるのは本人です。どこをゴールとするかで、治療方針も変わってくると思います。矯正治療中や治療後の注意点も大人と子供両方にあります。気をつけないと折角綺麗に並んだ歯並びが変わってしまう事もあるので、注意が必要です。今回は大人と子供の治療法について、治療時の注意事項を見ていきたいと思います。

治療の違い、子供と大人

 子供の場合と大人の場合では、治療の方法は異なりますがどちらも共通して緻密な診断が必要です。その人にとっての異常はどこにあるのかを知る必要があります。そうでなければ、治療方法を誤ってしまうからです。例えば、出っ歯の人がいる場合を考えます。それは上の歯が単純に出ているのか、歯には問題がなくて上顎の骨が下顎に比べて成長し過ぎなのか、逆に下顎の成長が弱い為に上の歯が出っ歯に見えてしまうのか、それらが複合しているのかなど様々なパターンが考えられます。従って、処置の前にその人のどこに原因があるのか抽出する必要があります。矯正を行う前のエックス線診査、顔や歯並びの写真、歯型をとって模型による診査など様々な検査を行い進めていきます。

子供の矯正治療

子供の場合、大人の歯の生え具合や年齢、顎の成長がまだ見込めるのか、悪い癖はないかなどによって方法が変わってきます。顎の成長を利用した矯正治療を子供には行うことがあります。顎の成長を促す又は抑制する事によって、大人になった時の矯正をせずに済ませる又は簡単にさせる目的があります。顎の横幅を広げる装置もあります。顎に対してアプローチする器具は顔の外に装置を付け、場合によっては口の中の器具と繋ぐ物もあります。大きい装置で目立つ為、お家でしか付けない事が多いです。子供の場合は癖も歯並びや顎の成長に影響を及ぼします。例えば指しゃぶりや口呼吸、舌を咬む又は出す癖などがこれに当たります。指しゃぶりは上顎の成長を促し、上の前歯を前に出す力を与えます。また、下の歯は内側に倒れる様な力が働く為、乳児であれば問題ありませんが、長く指しゃぶりをしている場合は要注意です。子供の場合は注意してもやってしまう為、装置によって癖を抑制させるものもあります。

大人の矯正治療

大人の場合は子供の様に顎の成長を促進させたり抑制させたりする事は困難です。基本的にはマルチブラケット装置と言って歯に器具をつけて、それらにワイヤーを通す方法を用いる事が殆どです。大人の矯正の場合は歯を抜くか抜かないかで方針が大きく変わってきます。術前の診断からそれは決まります。抜歯をする場合には一般的に前から数えて4番目ないし5番目を抜歯する場合が多いです。抜いた部分のスペースを利用して、歯を移動させるわけです。しかし、歯並びだけに問題がある場合はこれだけかもしれませんが、骨格的に問題がある場合はそれだけでは綺麗に並ばない可能性も出てしまいます。その場合は、骨に対してアプローチが必要になります。一方で最近ではマウスピース矯正も少しずつ浸透してきました。型を取った模型からマウスピースを作り、抜かずに少しずつ動かす方法です。症例によっては非対応です。また、矯正の先生によってはやらない先生もいるので相談してみて下さい。

矯正中、矯正後の注意事項

 矯正中はとにかく歯磨きが困難です。ワイヤーなどの器具がお口の中に常にある状況なので、汚れを取りにくくなります。歯磨きの時間をしっかり取らないと、簡単に虫歯になりますし、歯周病にも罹患しやすくなります。基本的に矯正治療は虫歯の治療後に行われる事が多いですが、矯正後に虫歯が出来てしまっている事も少なくありません。また、矯正中は何度もワイヤーを交換します。交換後は痛みが数日ある為に食事が取りにくい事もあります。矯正後の注意として、矯正を行えばそれで終わりではありません。基本的に歯は元の位置に戻ろうとする傾向があるので、その位置を維持出来る様にリテーナーという装置を夜間に入れておき、後戻りが起きにくい様にします。しかし、普段から何か悪い癖がある場合は、それによっても歯並びが悪い方向に戻ってしまう事があります。癖は意外と侮れないもので、歯並び以外にも歯周病や顎などに対しての悪影響が及ぶ事があるので、早めに取り除く必要があります。

まとめ

大人と子供では治療法は異なる場合が多いため、子供に対して矯正治療が必要そうで将来的に治療の希望があれば、一度まずは矯正治療について歯科医に相談してみて下さい。成長の段階での矯正治療は大人になってから矯正を始めるよりも短期間で済ませられる場合があります。大人の場合でも時間がかかるかもしれませんが、決して悲観せずに将来の自分の為だと思って矯正期間中は歯科医と共に頑張って治療を進めて下さい。



mapを見る

電話をかける