乳歯が早く抜けたときの影響とその対処法

[2023年08月14日]

こんにちは

ヒトの歯は、一生のうち、乳歯から永久歯に一度だけ生え変わります。

乳歯はいずれ抜けて生えかわる歯なのですが、抜けるタイミングがあります。

いつでも抜ければいいわけではなく、適した時期より早く抜けてしまうと困ったことが起こります。

乳歯は抜けかわる運命にある歯なのに、早く抜けるとどうして良くないのでしょうか。

今回は、乳歯が適した時期より早く抜けてしまった場合の影響と、対策についてお話しします。

 

乳歯が早く抜けた場合の影響

歯並びや顎の骨格に異常が起こる原因として、実は”早く抜けた乳歯”が占める割合はおよそ20%ほどになります。

永久歯が抜けたことで起こる歯列不正の割合は5%くらいしかないので、乳歯が早く抜けてしまうことの影響がどれくらい大きいかわかっていただけると思います。

ちなみに、次に多い原因は、舌を出す癖や指しゃぶりなどの癖で、10%ほどを占めています。

 

乳歯が早く抜けるのはどうしてよくないのか

乳歯が早く抜けると歯並びが悪くなってしまう理由はどうしてなのでしょうか。

周囲の歯が動く

乳歯が早く抜けてしまうと、乳歯があった場所には隙間ができますね。

ここで隙間から目を移して、その隣や噛み合わせている歯に着目してみます。

隙間の周囲にあるこれらの歯は、抜けた乳歯によって支えられていました。

乳歯が抜けるということは、支えとなる乳歯がなくなったということなのです。

このため、抜けた乳歯の周囲の歯が、抜けた隙間に向かって倒れ始めます。

隣の歯は隙間に向かって傾き、噛み合わせていた歯は伸びてくるといった具合に、歯が動き始めます。

 

永久歯が変な位置から出てくる

抜けた乳歯の下には、永久歯の赤ちゃんが育っていて、生えてくる時期を待っています。

抜けた隙間に向かって、時間が経てば経つほど、周囲の歯が寄ってきます。

このため、乳歯の次に生えてくるべき永久歯の生えるスペースがどんどん狭くなってきます。

それでも永久歯は出てこないわけにはいきませんから、歯並びからずれた位置に出てくることになります。

 

適切な時期ならどうして大丈夫なの?

永久歯が変な位置から出てくるというのは、あくまでも早く抜けた場合です。

抜けてできた隙間に周囲の歯が寄ってくるのには時間がかかります。

要するに、周囲の歯がよってくるまでの間に、次の永久歯が生えてくればいいわけです。

乳歯の歯根がとけてグラグラしてから乳歯がなくなるのなら、隙間を保ったまま永久歯が生えてこられるので、永久歯がいい位置に生えてくることができます。

 

乳歯が早く抜けた場合の対処法

では、乳歯が早く抜けた場合、歯並びが悪くなるのを待つしかないのでしょうか。

そんなことはありません。

対処法もちゃんとあります。

それは保隙(ほげき)です。

 

保隙と保隙装置

乳歯があった場所の周囲の歯を支え、隙間がなくならないようにすることを保隙(ほげき)といい、そのために使う矯正装置を保隙装置と言います。

以前と異なり、現在では保険診療の適用を受けた保隙装置もあります。

保隙の注意点

保隙は、あくまでも乳歯があった場所の隙間がなくならないようにするための処置であり、保隙装置はその目的のためだけに作られる矯正装置です。

ですので、隙間がなくなることで生じる歯列不正を予防することはできても、癖などその他の理由で生じる歯列不正まで防ぐことはできません。

 

保隙装置の種類

保隙装置は、歯に接着する固定式保隙装置、取り外しできる可撤式保隙装置の2種類が主に使われています。

固定式保隙装置

固定式保隙装置としては、クラウンループ隙装置・バンドループ保隙装置・ディスタルシュー保隙装置・クラウンバー保隙装置・インレーバー保隙装置、リンガルアーチなどがあります。

クラウンループは、乳歯に太い針金のついたクラウンという被せ物をつけて隙間を守る保隙装置です。

支えとなる乳歯に虫歯がある場合に使います。

バンドループは、歯に太い針金のついたバンドを巻くタイプの保隙装置です。

支えの乳歯に虫歯がない場合に選ばれます。

クラウンバーやインレーバーは、クラウン、もしくはインレーという詰め物から太めの棒状の金属を伸ばしている保隙装置です。

ディスタルシューは、最も後ろにあたる乳歯である第二乳臼歯がなくなった場合の保隙装置です。

第二乳臼歯の後ろの第一大臼歯という永久歯がきちんと生えてくるように誘導するのが目的です。

リンガルアーチは、舌側弧線装置ともよばれる2本の奥歯にバンドをつけて、バンドを太い針金で繋げ、その針金から細い針金を伸ばし、隙間を守る保隙装置です。

可撤式保隙装置

可撤式保隙装置は、入れ歯のように金具を歯にかけて安定を図るタイプの保隙装置です。

小児義歯ともいいます。

固定式保隙装置と比べると、サイズが大きく違和感も大きいのですが、抜けた乳歯がたくさんあるような場合にも対応できるのが利点です。

 

まとめ

今回は、乳歯が早く抜けるとよくない理由と、その場合の対処法についてお話ししました。

乳歯が適切な時期より早く抜けてしまうと、その周囲の歯の支えがなくなり倒れ込んできます。

その結果、次に生えてくるべき永久歯のスペースが不足し、歯並びが悪くなる原因になってしまいます。

それを防ぐ方法は、保隙です。

保隙には、保隙装置という機械を使います。

保隙装置には、歯に接着する固定式保隙装置、取り外しできる可撤式保隙装置があり、それぞれ、症状に応じて適切な装置が選ばれます。

当院は、保隙装置を使った治療の専門知識や治療経験の豊富な歯科医院です。

もし、お子さんの歯が抜けたタイミングに不安のある方は、一度当院にてご相談ください。

 



mapを見る

電話をかける