食事リズムと虫歯の関係性

[2023年08月13日]

「毎日歯磨き頑張っているのに、虫歯になっちゃう・・・」

そんな方は、食事のリズムを見直してみませんか?

むし歯と食事の仕方には、実は深い関係があるのです。

今回は、食事のリズムとむし歯の関係について、お話していきましょう。

 

目次

1. むし歯の成り立ちと食事リズムの関係

2. むし歯を予防する食事リズムの作り方

3. まとめ

 

 

1.むし歯の成り立ちと食事リズムの関係

むし歯の成り立ち

まずは、どのようにむし歯が出来るのか、その成り立ちを見ていきましょう。 

お菓子やジュース、食事を食べることによって、食べ物に含まれる糖分が、お口の中に入ります。

すると、お口の中のむし歯菌が、糖分を栄養として「酸」を作り出します。

これによって、お口の中全体が酸性に傾いていきます。

お口の中がpH5.5以下になると、酸によって歯の表面が溶かされていきます。

これを「脱灰(だっかい)」といいます。

ここまで、たった3分!あっという間ですね。

しかし、お口の中も、ただ脱灰が進むのを見ているわけではありません。

ここで登場するのが、唾液です。

唾液は、お口の中の食べかすを洗い流し、酸性に傾くのを抑えます。

それと同時に、酸を中和し、お口の中のpHを中性に戻していくのです。

そして、酸によって溶かされた歯の表面を修復していきます。

このことを「再石灰化(さいせっかいか)」といいます。

 

このように

食べ物によって酸性に傾いたお口の中のpHを、唾液の作用によって中性に戻す

酸によって歯の表面が脱灰したところを、唾液の力で再石灰化する。

 

この2点のバランスが取れていれば、むし歯にはならないのです。

 

食事リズムの関係

では、虫歯になってしまうのは、どのような状況なのでしょうか?

それは、

お口の中に常に糖分が入ってくることによって、いくら唾液が働いても中性に戻せない。

歯の表面が再石灰化する前に脱灰がどんどん進んでしまう(再石灰化による表面の修復が追い付かない)

このような状況下で脱灰が進み、歯に穴があく、つまり、むし歯が出来るのです。

 

ここで大切になってくるのが、「食事のリズム」です。

 

1日3食の食事に加えて、間食を何回もする人は、その回数分だけお口の中が酸性に傾く機会が多くなります。

酸性になるのに要する時間は、わずか3分。

中性に戻るまでかかる時間は、20分~1時間。

つまり、20分~1時間ごとにお口の中に何かしらの食物を入れていると、いつまで経ってもお口の中は酸性のまま。

歯は溶かされ続け、再石灰化による修復の機会も奪われてしまうことになるのです!

ダラダラ食べがむし歯の大敵であることが、ご理解いただけたでしょうか。

 

 

2.虫歯を予防する食事リズムの作り方 

では、歯が溶かされる脱灰の時間を短くして、再石灰化による修復の時間を長くするには、どのようにしていけば良いのでしょうか。

 

ポイントは、3つあります。

 

①間食の回数 

1つ目は、間食の回数を減らすこと。

お口の中に糖が入るタイミングが少なくなれば、その分、お口の中が酸性に傾くことも、脱灰が生じることも少なくなります。

また、食事(間食)と食事(間食)の間が長くなればなるほど、再石灰化の時間が長くなります。

食後のデザートは、食事が終わったらすぐに食べる(=食事の時間に含める)のがベストです。

また、糖分を含んだ飲み物も、食事(間食)と同じことになりますので、日常的な飲み物は、無糖のものにすることにも気を付けましょう。

 

食べたら歯磨き

2つ目は、食べたら歯磨きをすること。

歯磨きをすることによって、お口の中の糖を洗い流すことができます。

また、むし歯菌を少なくすることも出来るため、非常に効果的です。

 

③唾液の分泌

3つ目は、唾液を多く出すこと。

唾液の質には個人差があります。

しかし、量を増やすことによって、その人なりの効果を上げることができますね。

唾液の量を増やすには、よく咬んで食べることです。

しっかり噛むことによって、唾液が多く出るようになります。

また、こまめな水分補給も大切です。

最近は、口呼吸を行う人が増えてきています。

お口で息をすることによって、唾液が蒸発し、お口の中が乾燥してしまいます。

口呼吸は、鼻を介した免疫システムを有効活用することが出来なくなるなどの欠点も多数ありますので、普段から、お口をポカンとあけていないよう、お口を閉じて、鼻で呼吸をするよう意識してきましょう。

 

3.まとめ

むし歯は、お口の中のpHが酸性になり、歯の表面が溶かされる(脱灰)ことで生じる。

歯の表面が大きく溶かされる前に、唾液の作用によってpHが中性に戻ると、溶かされた表面は修復される(再石灰化)。

ダラダラ食べはお口の中が酸性の時間が続くため、歯の表面が溶かされる時間を長くしてしまう。

食事のリズムを整えることによって、歯が溶かされる時間を減らし、再石灰化の機会を増やすことができる。

むし歯予防のポイントとして、「間食の回数を減らす」「食べたら歯磨きをする」「唾液を多く出す」の3つが大切である。

 

 

むし歯の予防には、食事のリズムが大きく関わってきます。

今すぐ、全てのリズムを変えていこう!とするよりも、日常生活のちょっとしたことから気を付けていくと良いでしょう。

お子さんならば、テレビを見ながらおやつを食べるのではなく、おやつを食べてからテレビを見る習慣をつける。

大人であれば、日常的に飲んでいる砂糖やミルク入りの飲み物を、お茶や無糖のものに変える。

我慢をするというよりも、自分に出来るところから実践していくのがおすすめです。

 

むし歯の予防には、定期的なクリーニングやフッ素塗布も効果的です。

お家で出来ること、歯科医院で出来ることをうまく組み合わせて、一緒にむし歯予防に取り組んでいきましょう!!

 



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