唾液を増やして口臭対策!

[2022年12月22日]

唾液を増やして口臭対策!

最近、自分の口臭が気になってきた、もしくは、誰かに口臭を指摘された、気になるけどどんなことに気をつければいいかわからない、という方はいらっしゃいませんか。

 

オーラルケア商品だけでなく、ガム、タブレットなどでも口臭予防に特化した商品も最近ではよく目にするようになりました。

今回は、そんな口臭が気になっている方に向けて、その対策の一つをお伝えしようと思います。

口臭対策といっても非常に多岐に渡りますが、今回取り上げるのは「唾液の分泌促進」です。

逆にいうと、唾液があまり分泌されず、不足してしまうとそれが口臭の原因となります。

口臭の原因や唾液の役割を踏まえて、詳しくお話していきますので、是非参考になさってみてください。

 

唾液の不足でなぜ口臭が起きるのか?

なぜ、唾液の不足が口臭の原因となるのでしょうか。

口臭の原因とそれに関係する唾液の働きについて説明します。

 

口臭の原因とは?

そもそも不快な口臭の正体は、主に、口腔内に残った食べカスや汚れに含まれるタンパク質を口腔内の細菌がエサとして分解・発酵させるときに生じるガスです。

お口の中の細菌が多く、また食べかすなどが残った口腔内の清掃が行き届いていない状況では、このガスを発生させる条件が揃い、不快な口臭が生じやすいといえます。

 

口臭と唾液の深い関係

唾液は一日あたりおよそ1.5ℓも分泌されています。

口臭とこの唾液の関係は非常に深く、特に唾液の働きもたくさんありますが、特に以下の二つに注目する必要があります。

「抗菌作用」と「自浄作用」です。

 

「抗菌作用」

唾液中には、代表的なものとしてリゾチームとよばれる酵素が含まれています。

この酵素は細菌の細胞壁を破壊し、細菌の増殖を抑える働きをしています。

唾液が少なくなることで、この抗菌作用が低下し、口臭の原因となる細菌が増殖しやすくなります。

 

「自浄作用」

唾液には口腔内を潤し、歯間部や歯に付着した食べかすも洗い流す働き、自浄作用があります。

唾液の分泌量が不足し、口腔内が乾燥している状態になると、細菌のエサとなる食べ物が滞留しやすくなります。

この自浄作用は、口臭を抑制するには非常に重要な働きであるといえます。

このように、口臭対策には、唾液の分泌量が非常に重要であることがおわかりいただけると思います。

では、唾液の分泌量を増加させるにはどのようにしたらいいのでしょうか。

歯科医院でもよくご紹介するご自宅でも出来る主な方法をお伝えします。

 

唾液の分泌を促進する方法は?

以下に唾液の分泌を促進する方法をあげてみます。

 

唾液腺マッサージ

唾液腺には、大唾液腺と小唾液腺があり、これらの組織から唾液が分泌されます。

小唾液腺は口腔内の至るところに存在します。

大唾液腺は以下の3つから構成されます。

 

・耳下腺:両耳の前に位置

・顎下腺:左右の下顎角の内側に位置(耳の下の角張っている顎の骨の裏側)

・舌下腺:下顎のオトガイ(顎先)の裏側に位置

 

ここで示した位置を、指の腹を使ってほぐしながらマッサージすると、唾液が分泌されやすくなります。

特に、3つの中でも顎下腺の唾液分泌量が一番多いと言われています。

唾液腺マッサージは口腔ケアには必ず取り入れられており、非常に効果的な方法の一つです。

 

咀嚼回数を増やす

食事の際、食べ物を口に入れたらすぐに水分を摂らないと噛みにくい、もしくは水分がないと飲み込めない、という方はいらっしゃいませんか?

 

このような方は唾液の分泌量が少なく、また、咀嚼回数も少ないのかもしれません。

重要なのはその咀嚼回数です。

最近では食の欧米化が進み、パンやパスタなど柔らかい食事が多くなる傾向にあり、その咀嚼回数も減っているといわれています。

 

口をよく動かすと、口腔内の粘膜、口周りの筋肉の動きがよくなり、唾液がスムーズに分泌されるようになります。

こういったことから、咀嚼回数を増やすために、やや歯ごたえのあるもの、また大きさも一口大にするなど、日頃の食事内容を少し変えてみることをおすすめします。

 

目安として30回程しっかり噛むことを目標としてみましょう。

 

水分の補給

唾液は体の中の水分からできています。

つまり、体の水分量が減少すると、唾液の分泌量も減少してしまいます。

人間の体内の水分量は、体に異変がなくても、加齢によって少しずつ減少していくと言われています。

日頃から意識してこまめに水分補給し、体の水分量を一定に保っておくことが重要です。

 

口臭の原因は唾液量の減少以外にもある?

ここまでのお話で、唾液の分泌量の増加が口臭対策に非常に重要であることがおわかりいただけたと思います。

 

その一方で、唾液の分泌量の不足で生じる口臭以外に、何らかの病気が原因となって生じる「病的口臭」といわれるものがあります。

 

口腔内では歯周病、虫歯、全身的な疾患では、糖尿病、肝疾患、喉や鼻などの病気、呼吸器系疾患、消化器系疾患が口臭の原因になっていることがあります。

 

ただ、病的口臭のおよそ90%は歯周病や虫歯といった口腔内の疾患が絡んでいるといわれます。

 

病的口臭であるとわかった場合は、その治療がまずは必要となります。

 

セルフケアで改善しなければ歯科医院へ相談

今回は口臭予防、対策として、唾液の分泌量を促す方法などをお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。

 

唾液腺マッサージを始め、今回ご紹介した方法は、特別な道具を使うものでもなく、日常生活ですぐに取り入れられそう、と感じられたと思います。

 

是非、今日から少しずつ意識して実践してみてください。

一方で、それでもなかなか改善されないといった場合は、上でお話したような病的口臭の可能性もあります。

その場合はまずは歯科医院でご相談されるのをおすすめします。



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