始めてみませんか?虫歯になりにくい食生活

[2023年04月17日]

「毎日子供の歯磨きを頑張っているのに、虫歯が出来てしまう・・・」

「歯磨き以外にも、虫歯予防で毎日出来ることはないかな・・・」

そんなお悩みをお父さん、お母さんからご相談されることがあります。

毎日の歯磨きは、勿論大切です。

それに加えて、虫歯になりにくい食生活を始めてみませんか?

 

今回の記事はこんな方におすすめです!

・ お子さんが虫歯になりやすいと感じている方

・ 「歯磨きしているのに、虫歯になってしまう・・・」という方

お子さんの虫歯リスクを下げたいという方

 

目次

1. 食事と虫歯の関係

2. 虫歯になりにくい食生活のポイント

 2-1. お口の中が酸性に傾く時間を減らす

 2-2. 虫歯になりやすい食べ物、飲み物を知る

 2-3. よく咬んで食べる

3. まとめ

 

 

1.食事と虫歯の関係

私たちのお口の中は、普段は中性(pH6.8~7)に保たれています。

そこに、食べ物が入ってくると、お口の中のpHは一気に酸性に傾きます。

そして、pH5.5以下になると、歯の表面が少しずつ溶け始めます。

このことを「脱灰(だっかい)」といいます。

しかし、お口の中も、歯がただ溶かされるのを黙って見ているわけではありません。

救世主は、唾液です。

唾液は、酸性に傾いてしまったお口の中を少しずつ中和していき中性に戻し、酸によって溶かされた歯の表面を修復します。

これを、「再石灰化(さいせっかいか)」といいます。

お口の中では、食事のたびに酸性になって歯の表面が脱灰され、それを唾液の作用で徐々に中性に戻していき、溶かされた歯の表面を再石灰化して・・・そうこうしているうちに、今度はおやつが入ってくることによってお口の中がまた酸性になり・・・という攻防戦が常に行われているのです。

お口の中の細菌の量や、その細菌のエネルギー源となる糖、唾液の分泌量などによっても、pHの変化は変動します。

では、「虫歯になりにくい食生活」を送るには、どのようなことに気を付けていけば良いのでしょうか。

 

2.虫歯になりにくい食生活のポイント

「虫歯になりにくい食生活」のポイントは、3つあります。

お口の中が酸性に傾く時間を少なくする

虫歯になりやすい食べ物を知る

よく咬んで食べる

 

この3つのポイントを、おやつを具体例にとってみていきましょう。

 2-1.お口の中が酸性に傾く時間を減らす

さきほどのお話の通り、食べ物がお口の中に入ると、お口の中のpHが酸性に傾きます。

それによって、歯の表面が少しずつ溶け始めます。

では、どうすればよいのでしょう。

それは、一日の中で、お口の中に食べ物が入っている時間を減らせばよいのです。

1日3食、プラスお子さんの場合は、補食としてのおやつの時間(1日1~2回)はとても大切です。

食事及び補食はしっかり摂りましょう。

しかし、ダラダラ食べてはいけません。

特に、おやつに関しては、何となくダラダラと食べてしまいがちです。

おやつは量と時間を決めて食べるようにしましょう。

一日を通しての食事の時間にメリハリをつけることによって、歯の溶ける「脱灰の時間」を短くして、歯を修復する「再石灰化の時間」を長くすることが出来るのです。

 

2-2.虫歯になりやすいおやつを知る

虫歯になりにくい食生活を考える上で、リスクの高い食べ物、飲み物を知ることは、とても大切です。

糖分の含有量も勿論重要ですが、ここでは具体的に、お口の中に長くとどまってしまいやすいおやつに焦点を当てて、みていきましょう。

 

特に注意が必要なおやつ

粘着性の高い食べ物(ねばねばしたもの)  : アメ、キャラメルなどソフトキャンディー、ドライフルーツ、グラノーラなど

歯のすき間に入り込みやすい食べ物            : チョコレート、クッキー、スナック菓子など

アメやソフトキャンディーなどは長時間お口の中にとどまりやすく、チョコレートやクッキー、スナック菓子などは、歯の咬む面の溝や、歯と歯の間に入り込んでなかなか取れないという特徴があります。

このような、長時間お口の中にとどまってしまいがちなおやつはなるべく避けることが必要ですね。

又は、そのようなおやつを食べたあとは、出来るだけ歯磨きをする、もしくは必ずうがいを行う、などを習慣にすると良いでしょう。

 

また、飲み物にも注意が必要です。

お水や無糖のお茶に関しては、食べ物の残りかすを洗い流してくれるので、虫歯予防に効果的です。

しかし、ジュースやスポーツ飲料、加糖タイプのお茶やコーヒーなどには要注意です。

市販の飲料には、思った以上に大量の砂糖が含まれているのです。

外出先などで、そのような飲み物を水分補給として頻回摂取してしまうと、常にお口の中にお砂糖を供給していることになってしまいます。

飲み物は、無糖タイプのものを習慣にすることを強くおすすめします。

ジュースなどを飲む場合は、「おやつ」の分類として考えていくと良いでしょう。

 

2-3.よく咬んで食べる

よく咬んで食べることによって、唾液の分泌が活発になります。

唾液の量が増えることによって、酸性に傾いていたお口の中のpHが中性に戻りやすくなります。

それに伴って、再石灰化も行われやすくなるのです。

それだけではありません。

唾液がたくさん出ることによって、歯の表面や舌、粘膜などの汚れや細菌を洗い流して、細菌をくっつきにくくしてくれます。

唾液の中には抗菌作用もあるため、虫歯だけでなく歯周病の予防にもなります。

 

このように、よく咬んで唾液の分泌を促すことには多くのメリットが存在します。

おやつの内容を考える上でも、よく咬んで食べるものを選ぶことで、虫歯予防にも繋がるのです。

具体的には、小魚、酢昆布、干し芋、おせんべい などがおすすめです。

(干し芋やおせんべいは、お口の中に残りやすいおやつでもあるので、注意も必要です)

ガムも効果的ですが、砂糖が含まれているものが多いので、他のおやつ同様、時間を決めて食べるようにしましょうね。

また、普段のお食事においても、よく咬んで食べる習慣をつけていくと良いでしょう。

  

3.まとめ

虫歯になりにくい食生活のポイントとしては、

1日を通して、食事及びおやつの時間を決めて、お口の中に食べ物が入っていない時間を長くする。

➡ 歯が溶ける(脱灰)時間を短くして、歯を修復する(再石灰化)時間を長くする。

虫歯になりやすいおやつを知る

➡ 虫歯になりやすいおやつは避ける。もしくは、食べた後で歯磨きやうがいをする。

よく咬んで食べる

➡ 唾液の働きを最大限に引き出し、虫歯予防に役立てる。

 

まずは、今の食生活を振り返ってみてください。

すぐに実践できそうなポイントはありましたか?

最初から、3つ全てを完璧にしなくても大丈夫ですよ。

まずは、出来ることから、少しずつ、始めていきましょう。



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