歯医者が多い理由
[2026年07月14日]
◯はじめに
街を歩いていると、駅前や住宅街で歯医者の看板をよく見かけます。「コンビニより多い」と聞いて、なぜそこまで多いのか気になった方もいるかもしれません。
歯医者が多く見える理由は、単に開業数が多いからだけではありません。診療の仕組みや地域での役割、虫歯以外の相談内容の増加など、いくつもの背景が重なっています。
◯目次
- ◯歯医者が多いと感じる理由
- ◯歯医者が多い背景にある4つの理由
- ◯歯医者が多い時代の選び方
- ◯まとめ:歯医者が多い理由を知って通いやすい歯医者を選ぼう
◯歯医者が多いと感じる理由
歯医者が多いという印象には、実際の施設数だけでなく、日常生活で目に入りやすい立地も関係しています。
◆統計で見る歯医者の数
厚生労働省の医療施設動態調査によると、2026年3月末時点の歯科診療所は全国で65,213施設です。ここでいう歯科診療所とは、一般的に街の歯医者として利用される医療機関を指します。
また、厚生労働省の統計では、2024年12月31日時点の届出歯科医師数は103,652人となっています。歯科医師数は近年やや減少傾向にあるものの、全国には今も多くの歯科医療機関があり、地域医療を支えています。
◆コンビニと比べて目立つ数
日本フランチャイズチェーン協会の統計では、コンビニエンスストアはおおむね5万6千店規模です。集計時点や数え方は異なりますが、施設数だけを比較すると、歯科診療所の数はコンビニ店舗数を上回っています。
ただし、コンビニと歯医者では役割が大きく異なります。コンビニは日常の買い物をする場所である一方、歯医者は予約をして診療を受ける医療機関です。施設数の比較は分かりやすい指標ですが、利用頻度や目的まで同じではありません。
◯歯医者が多い背景にある4つの理由
歯医者が多い背景には、地域ごとに小さな診療所が必要とされる歯科医療ならではの特徴があります。
◆地域ごとに小さく分かれる診療体制
歯の治療は、1回で終わるとは限りません。虫歯の治療、歯周病の管理、入れ歯の調整、親知らずの相談など、複数回の通院が必要になることも少なくありません。
そのため、遠くの大きな医療機関に患者さんが集中するよりも、自宅や職場の近くで通える歯医者があるほうが利用しやすい環境といえます。住宅街や駅前に歯医者が多く見られるのは、生活圏の中で継続して通院しやすくするためでもあります。
◆虫歯以外にも広がる相談内容
以前は「歯が痛くなったら歯医者へ行く」というイメージが一般的でした。しかし現在では、虫歯だけでなく、歯周病、歯並び、かみ合わせ、子どもの歯、入れ歯、インプラント、訪問歯科診療など、相談できる内容は幅広くなっています。
厚生労働省の令和6年歯科疾患実態調査によると、過去1年間に歯科検診を受けた方の割合は63.8%でした。歯医者は、痛みが出てから受診する場所だけではなく、お口の健康を維持し、異常を早期に発見するために通う場所へと変化しています。
◆予約制で限られる1日の診療枠
歯医者では、患者さん一人ひとりに診療時間を確保して治療を行います。検査や説明、麻酔、虫歯治療、型取り、歯石取りなど、処置内容によって必要な時間も異なります。
そのため、1つの歯科医院で1日に診療できる人数には限りがあります。地域に複数の歯医者があることで、仕事帰りや学校帰り、子どもの通院、高齢の方の受診など、さまざまな時間帯の診療ニーズに対応しやすくなっています。
◆高齢化と予防意識による通院機会
高齢になっても自分の歯を多く残せる方が増えたことで、歯を長く維持するための定期的な管理も重要になっています。厚生労働省の令和6年歯科疾患実態調査では、80歳で20本以上の歯が残っている方の割合は61.5%でした。
歯が多く残ることは喜ばしいことですが、その一方で歯周病の管理や詰め物・被せ物の点検、かみ合わせの確認など、継続的なメンテナンスも必要になります。子どもから高齢者まで幅広い年代が定期的に歯科医院を利用するようになったことも、歯医者が多く見える理由の一つです。
◯歯医者が多い時代の選び方
歯医者が多い地域では、数の多さだけではなく、自分の悩みや生活スタイルに合った歯科医院を選ぶことが大切です。
◆通いやすさと診療内容の一致
歯医者選びでは、自宅や職場から通いやすいことや、予約時間が生活リズムに合っていることも重要なポイントです。歯の治療や歯周病の管理は複数回の通院が必要になることが多く、途中で通えなくなると治療計画に影響することがあります。
一方で、近いという理由だけで選ぶと、自分が相談したい内容に対応していない場合もあります。小児歯科、入れ歯、矯正歯科、親知らず、定期検診など、希望する診療内容を取り扱っているかを事前に確認すると選びやすくなります。
◆説明の分かりやすさと検査内容
歯医者が多いと、どこを選べばよいか迷うこともあるでしょう。そのようなときは、検査結果を分かりやすく説明してくれるか、治療の選択肢や通院回数の目安について丁寧に説明してくれるかも確認したいポイントです。
費用や治療期間、治療後のセルフケアについても相談できると、安心して治療を受けやすくなります。質問しにくい雰囲気がある場合は、長く通院するうえで負担になることもあります。歯医者が多いからこそ、説明の分かりやすさや相性も大切な判断基準になります。
◯まとめ:歯医者が多い理由を知って通いやすい歯医者を選ぼう
歯医者が多いのは、開業数だけが理由ではありません。全国には約6万5千の歯科診療所があり、虫歯治療だけでなく、歯周病の管理や定期検診、入れ歯、小児歯科、高齢期のお口の管理など、幅広い役割を地域で担っています。
また、歯医者は予約制で一人ひとりに時間をかけて診療する医療機関です。そのため、コンビニとの数だけを比較して「多い」と考えるよりも、地域で必要とされる医療体制の一つとして見ることが大切です。
大切なのは、歯医者の数に迷いすぎるのではなく、自分が相談したい内容に対応しているか、通いやすい場所か、説明が分かりやすいかといった点を基準に選ぶことです。気になる症状がある方や、しばらく歯科検診を受けていない方は、通いやすい歯医者で現在のお口の状態を確認してみましょう。


