学校歯科健診の役割について

[2023年07月28日]

 学校歯科健診の役割について

学校歯科健診の検査結果をお子さんが持ち帰ると、

「むし歯ゼロだった?!」

「汚れが多いってチェック入っているー!」

など、一喜一憂してしまいますね。

しかし、結果用紙を持って歯科医院に行くと、

「新たに虫歯が見つかっちゃった・・・」

なんてことを経験された方も多いのではないでしょうか。

 

今回は、学校歯科健診についてお話していきましょう。

 

目次

1. 学校歯科健診とは

2. 学校歯科健診で行うこと

3. 健診結果の読みかた、考えかた

4. 歯科医院で行うこと

5. 健診結果の活用について

6. まとめ

 

 

1.学校歯科健診とは

学校歯科健診と歯科医院で行う歯科検診、同じものだと考えている方も多いのではないでしょうか。

実は、この2つは、目的も、手法も異なるものです。

では、学校歯科健診とはどのようなものなのか、みていきましょう。

 

学校歯科健診とは、お口の病気のために、授業に集中できなかったり、友達と楽しくおしゃべりしにくかったり、お昼ごはんが美味しく食べられなかったりすることがないように、心も身体も健康な状態で学校生活を送ることが出来るように、と行われます。

 

学校歯科健診は、「学校保健安全法」によって、毎年6月30日までに行うことが文部科学省より定められています。

健診の際には、むし歯のチェックだけではなく、歯肉炎や歯並び、咬み合わせや顎関節などの検査を行い、病気があるかどうかだけではなく、将来の病気の危険性を予測し、病気にならないように指導していくものなのです。

 

2.学校歯科健診で行うこと

学校歯科健診では、限られた時間内に、限られた設備で、基本的にはデンタルミラー1本を用いて、目で視ることによって検査を行っていきます。

そのため、お口の中にライトの光が届きにくく、歯と歯の間などの細かなチェックや、歯の表面に汚れが付着していた場合は、その下まで確認することができません。

では、どのような基準で検査を行っていくのでしょうか。

学校歯科健診では、ごくごく小さなむし歯の判定や、むし歯の進行度合いといった医学的な確定診断は必要とされていません。

大切なのは、「早期に治療が必要」なのか、「(将来、治療が必要とならないために)経過観察などの歯科医師の介入を必要としている」のか、もしくは「このまま健康維持につとめるべき」なのかという、ふるいわけ(スクリーニング)をしていくことなのです。

 

3.健診結果のみかた、考えかた

健診結果は、個人に配布されます。

この結果をどのようにみていくのか。

記号の意味と、その考え方について、説明していきます。

 

まずは、アルファベットの記号の意味をみていきましょう。

C:Caries むし歯

G:Gingivitis 歯肉炎

O:Observation 経過観察

 

健診では、明らかなむし歯はC、将来的にむし歯に発展しそうな歯など、歯科医院にて経過観察が必要と思われる歯はCOとします。

同様に、治療が必要と思われる歯肉炎にはG、慢性的な汚れが付着しており、このままでは将来歯肉炎になりそうだと判断した場合にはGOとします

 

健診結果は、むし歯、歯肉炎、歯の汚れの状態、かみあわせ、顎関節といった項目ごとに、以下のチェックがつきます。

(0): 健全(異常なし)

(1): 要観察 歯科医による診察および定期的な観察や、予防処置を必要とする

(2): 要治療 治療を必要としている

 

 

一ヶ所でも「(2)要治療」にチェックがついていた場合は、出来るだけ早めに歯科医院にて治療を行う必要があります。

むし歯だけではなく、歯肉の腫れや、抜けるべき乳歯が残ってしまっているために抜歯が必要な場合などもあてはまります。

「(1) 要観察」のチェックがついていた場合も、注意が必要です。

この場合の「観察するひと」は、保護者だけではなく、歯科医師も含まれます。

ご家庭で注意していくことも勿論大切ですが、明らかなむし歯に進行してしまう前に、歯科医院に行き、チェックしてもらうようにしましょう。

「(0)健全」の場合は、現在は特に注意が必要なところや、治療の必要性はないので、この状態を保てるように引き続き頑張りましょう、という風に考えていきましょう。

  

4.歯科医院で行うこと

学校歯科健診の結果を持って歯科医院に行くと、何をするのでしょうか。

歯科医院でも、お口の中のチェックから行います。

「学校で、もうやったのに・・・」

そう思われる方も多いでしょう。

しかし、学校歯科健診と歯科医院でのチェックは異なります。

歯科医院では、お口の中を観察するのに最適な環境で、歯の表面に汚れが付着している場合は取り除いた状態で視診、触診を行い、必要があればレントゲン撮影やう蝕検知液などを併用しながら、健全歯とむし歯の判別や、むし歯の進行度合いの診査、歯や骨の内部の状態なども確認し、今後の治療方針や必要とされる処置の決定をしていきます。

「(1)要観察」のチェックが入った場所に対しても、このまま定期的にチェックを行っていくのか、シーラントなどのむし歯の予防措置など、何らかの処置を行ったほうが良いのかなど、総合的に判断していきます。

お口の中の清掃状況などを考慮した上で、要観察歯であっても早期に治療を行うこともあるのです。

 

学校歯科健診で、「(2)要治療」「(1)要観察」などにチェックが入った場合は、なるべく早くに歯科医院を受診するようにしましょう。

また、「(0)健康」とのチェックがあった場合にも、「じゃあ、歯科医院に行かなくてもいいや」というわけではなく、現在の健康状態をキープすることが出来るように、定期的な検診およびクリーニングを行っていくことをおすすめします。

 

特に小学生の時期は、大人と子供の歯がどんどん生え変わっていく時期です。

歯科医院では、その時のお子さんのお口の中の状態を、お父さん、お母さんに説明していきますので、家庭での口腔ケアにも役立てていただけるかと思います。

 

5.健診結果の活用について

学校歯科健診の結果は、1人1人のご家庭にお知らせするだけではありません。

全ての結果を集計して、お口の中の健康状態を学年・学校・地域ごとにまとめ、どのような傾向があるのかといった現状把握を行います。

それをもとに、学校としてはどのような指導が必要なのか、地域として、どのような対策を立てていくべきなのかといった、今後の課題について話し合われていきます。

 

学校歯科健診は、今この瞬間の結果だけではなく、子ども達の未来をより良いものにしていくために行われるものなのです。

 

6.まとめ 

学校歯科健診とは、子ども達が学校での生活を健全に送ることが出来るように行われる。

お口の中を診査し、治療を必要としている人や、歯科医師による経過観察が必要な人を見分けていく。

「要治療」「要観察」の場合は、歯科医院にて改めて診査・診断を行う必要がある。

学校歯科健診の結果は、個人としてのものだけではなく、学年・学校・地域の現在の状況と課題を知る重要なデータとして活用されていく。

 

歯磨きは、毎日行うものですね。

だからこそ、習慣の一部となり、改めて見直すきっかけがなくなってしまいがちです。

学校歯科健診をきっかけとして、お口の中の健康について、お子さんとお話してみてはいかがでしょうか。

「要観察」、「要治療」とあれば、出来るだけ早めに歯科医院を受診することをおすすめします。

なにもなくても、生え変わりなどのお口の中の成長具合の確認や、定期的なクリーニングにいらしてください。

お待ちしております!

 



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